いよいよ地元柏の葉に高円宮杯覇者で今大会でも優勝候補筆頭と目されている流経大柏が登場。対するは、6年ぶり4回目出場の久御山。流経大柏有利という意見が大半を占めている中で試合開始。序盤、両チームとも中盤をコンパクトに保ち、なかでも久御山は集中した守備でボールの出所を潰す出足の良さと球際の強さもあり、流経大柏の今大会注目のストライカーJ1清水に内定の10番FW大前にほとんど仕事をさせず。それでもやはり地力に優る流経大柏が、18番FW上條のシュートがクロスバーに当たったりとチャンスを逃していると前半20分、久御山のキャプテンMF村山がゴールを決め久御山が先制。最初にして唯一のチャンスをものにした久御山の予想に反する先制点に柏の葉もにわかに騒めき始めます。攻撃の形もなかなか作れずに先制された流経大柏は、前半26分に早くもベンチが動き、9番MF小島に代えて20番MF田口を投入。同時に大前を3トップ気味の右サイドに配置したシステムに変更するも、その後も久御山の集中した守備と落ち着いたボール運びになかなかチャンスを作れず。さらに流経大柏は、前半34分に18番FW上條が負傷交代。前半で交代枠2つを使う苦しい展開に。しかし、流経大柏にとって嫌な流れのまま終了すると思われた前半ロスタイム、交代出場した田口の左サイドからのクロスに8番MF村瀬が飛び込み流経大柏が追いついたところで前半終了。後半に入ると、流経大柏は前半終了間際の得点の勢いそのままにサイドバックも積極的に上がり始め攻撃のリズムもかなり良くなり、久御山は守る時間帯が多くなるも前半同様の集中した守備で粘る。そして後半13分、上條の負傷で交代出場した流経大柏24番FW久場が裏へ抜け出し、追い駆けた久御山2番DF附ともつれるように倒れると、これがPKの判定。DF附は一発退場に。このPKをエース大前が落ち着いて決め、ついに流経大柏が逆転。この後すぐ流経大柏のキャプテン13番MF名雪も2枚目のイエローで退場になりましたが、イエロー7枚、退場者2人を出したこの試合は、少し首を傾げたくなるような判定も多かったので、この退場はある程度予想できましたね。その後は、10対10の攻防を制した流経大柏が2-1で勝利し3回戦進出。高円宮杯覇者をあと一歩のところまで追い詰めた久御山は、粘り強くまとまった良いチームでした。「冬の選手権はイマイチ」という印象のある流経大柏もこれで良いスタートが切れたのではないでしょうか。 石神