今日は天皇杯というチョイスもあったのですが、ここはその天皇杯で全国に衝撃を与えた明治大学の3日後を見てみようと駒沢に来てみました。相手は現在リーグ2位の法政大学。勝ち点で並ぶ明治にしてみれば、優勝を狙う上でも確実に叩いておきたいライバルです。なお法政は本田拓也(清水内定・4年・桐光学園)、明治は長友侑都(FC東京特別指定・3年・東福岡)と共に五輪予選を戦うUー22代表に選手を送り込んでいる大学でもあるんですねえ。ゲームは出足のいい法政が主導権を握る展開に。中盤の菊岡拓朗(4年・清水東)がボールによく絡んで左右に散らしながらチャンスを創っていきます。明治はやはり中2日でほぼ同じメンバーを揃えたこともあってかかなり動きが重く、清水から2点を奪った林陵平(横浜FC特別指定・3年・東京Vユース)もボールへ触れず劣勢に。神川監督も「しっかりやれよ」と厳しい言葉を飛ばします。徐々に中盤に入った橋本晃司(名古屋特別指定・3年・星稜)にボールが集まり出すとやや攻撃の形もでき始め、42分には長友が決定機を掴むもシュートはわずかに枠外。法政のペースで前半は終了しました。後半はスタートから法政が圧倒的攻勢。51分には菊岡、52分に山本孝平(3年・桐光学園)、56分に市川雅彦(4年・成立学園)と立て続けにゴールを襲いますが得点には到らず、70分の市川の決定的なシュートもGK関憲太郎(仙台内定・4年・国見)がファインセーブで凌ぎます。ですが試合が動いたのはここ。そのCKから山本が放ったヘディングがネットを揺らし、ようやく法政が先制しました。負けると43年ぶりのリーグ優勝が非常に厳しくなる明治は限りなく敗色濃厚となった82分、こぼれ球を坪内佑太郎(3年・鹿児島実)が右足で叩くと25m近い弾道が右スミに決まり、後半流れの中から初めて生まれたシュートで同点に追い付きます。さらに2分後、左へ展開したボールが中央に戻ると橋本が冷静に流し込み何と逆転ゴール。たった3分間でオセロのようにゲームをクルッと引っ繰り返した明治が、優勝戦線に生き残る結果となりました。いやあ、明治は終始押し込まれてて完全な負けゲームだったんですけどねえ。チームが"いいサイクルに入っている"という風な表現しか当てはまらないような、不思議な逆転劇でした。　　　AD土屋