今日最大の注目点は、終盤に向けての切り札として監督交替という荒療治に出た、いわば"レアル(LEAL)"横浜が、この中断期間でメンバーも含めてどんな修正を施して来ているか、という1点に集約されるでしょう。ただ横浜のホームゲームにも関わらず、会場は"東京"都にある国立競技場。ホームアドバンテージはゼロどころかむしろマイナス。諸々の事情はあるんでしょうが、ゴール裏の位置が入れ替わっただけでサポーターは圧倒的に"アウェイ"の数が上回ってました。さて横浜FCのスタメンを見てみると、前節からチョ・ヨンチョルと滝澤を替えた以外はまったく同じ顔触れ。ただFWとMFを入れ替えたので、システムは4ー4ー2から4ー5ー1に変わっています。試合が始まると、確かに噂に聞いていた通りの変化は見られます。つまりポゼッションサッカーへの移行。簡単に前へと蹴るようなシーンは確かに減っていました。しかし、これで都合2日間連続で会うことになった幸谷さんが言っていたように、ボールを回す位置が低過ぎるんです。それゆえに両サイドバックが高い位置に出ていけないと。ワイドを使おうにも、滝澤とオ・ボムソクが孤立するシーンが増え、単騎突破もままならず攻撃がすべて手詰まりに。公式記録の前半シュート0が、これを如実に表しています。東京も「相手に合わせるような形で一歩ずつ遅く、なかなかうまくいかなかった」(原監督)ため、押し込む割にチャンスは多くなかったのですが、34分にはエリア内で相手DFの致命的なミスを見逃さなかった福西がボールを奪い赤嶺へ。その折り返しに福西が自ら詰めて、先制しました。得点力不足も否めない横浜FCに、勝ち点3を得るために必要なゴールはこの時点で最低でも2つ。当然「後半は攻撃的に行こうと」(ジュリオレアル監督)したようですが、やや長いボールが増えたくらいで戦い方は特に変わったようには見えません。むしろ最終ラインでのボール回しにプレッシャーをかけられ、決定的なピンチを招くシーンも。玉乃、そして移籍後初登場となる三浦淳宏、さらにカタタウと交替で入った選手たちからは流れを変えようとする姿勢が伝わってきましたが、いかんせん連動性に欠けフィニッシュは遠く、最もゴールに近付いた79分の三浦淳のFKも枠を外れて万事休す。ロスタイムには平山に中央をぶち抜かれ、今日も一人気を吐いていた菅野もかわされて2点目を献上。3連敗、12戦勝ちなしとなってしまいました。ジュリオレアル監督は「横浜FCの選手は持っている力を全て出し切ってくれました」と会見で語っていましたが、もしその言葉に偽りがなければ、残留はほぼ絶望的と言わざるを得ないでしょう。戦術云々より、自らのサポーターに勝っても負けても訴えかけるモノのあるゲームをする義務が選手たちにはあると思います。厳しいようですが、今日の横浜FCから、残留に懸ける強い想いを感じることはできませんでした。　　　AD土屋