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2000年の番組開始から15年以上に渡り、良質かつ多彩な企画で人気を博してきた、J SPORTSオリジナルサッカー番組「Foot!」。
2011年8月から、週5日放送のデイリーサッカーニュースとしてリニューアルし、世界のサッカー情報を余す ことなく紹介する。

Jリーグ 2007年06月09日

J1第14節 柏×大宮@柏の葉

foot!
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例えばフィリッポ・インザーギ。美しく機能的な攻撃には加わらない。加われない。一途に前へ、そして裏へ。ただ獲物は決して逃さない。そこがアテネであってもフェロー諸島であっても。例えばジラルディーノ。往時の勢いは失せた。今は献身の人へ。当たられても倒されても下がらない。年下のクラッキがすぐ横をすり抜けてスポットライトを浴びることになろうとも。例えば久保竜彦。あえてかつての同僚が指揮を執る昇格チームへ。待って、ひたすら待って。メガクラブに激しく見舞った一撃。あれだけでこの1年、皆が寄せ続けるであろう期待を得た。たった3人ではあるがタイプはバラバラ。共通項はクラブでの役割。すなわち1トップ。翻って柏と大宮。共通項は、やはり1トップ。柏はブラジル人のフランサ。今や絶対的な魔法使いに変身し、働く若者たちを従えてゴールを収穫する。大宮は日本人の吉原宏太。五輪代表とフル代表で綱引きされた経験を持つ。引かれた先はパラグアイ。刻んだ日本代表キャップ1。その"1"は8年経った今も変わっていない。国籍もキャリアもスタイルも異なる二人。そして今日のゲーム。ここまでの評価は前者に高く与えられていたが、柏の葉で輝いたのは後者だろう。フランサは微妙なズレが修正されず、彼にボールが収まらないため、チーム全体のダイナミズムは霧散してしまう。時折見せた閃きも、結実することはなかった。吉原宏太は、とにかく動いた。ボールを持ったらドリブルで前へ。仕掛けては取られ、取られては仕掛け。でもそれは守備者にとっても厄介なはず。裏へ抜ける動きも見せた。小林大悟に藤本主税、両サイドからのボールに反応し続けた。ゴールにこそ至らなかったが、これも守備者にとっては厄介なはず。そして誰より自軍の指揮官が彼を評価する。森田、若林、エニウトン。ベンチに控える3人のFWは誰一人ピッチへと送り込まれることはなかった。結果はスコアレスドロー。試合は「大宮が75%支配していた」とロバート監督には映り、「決定的なチャンスはあったが、決めきれなかった」と石崎監督には映ったが、吉原宏太の1トップが十分有効であることを改めて再確認した大宮の方に、より価値のある勝ち点1だったことは間違いないように思える。  AD土屋




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