今日の西が丘でのゲームは紆余曲折を経て迎えた札幌のホームゲーム扱いとなる一戦。相手は1年でのJ1復帰が至上命題の福岡と、かなりの好カードが近場で見られて個人的にはラッキーでした。なのに、なぜか東京だけ局地的に降る冷たい雨という、ピッチ的にも体感的にも厳しい試合は、福岡・リトバルスキー監督が「私にとっては退屈な試合だったと思う」と認める通り、決定機の少ない展開の末スコアレスドローに終わってしまいました。福岡はまだチームの構築中といった印象が強いですね。今日はスタメンの中にトップの中央に入りそうなリンコンや林の名前がなく、少し変化をつけてくるのかなと思いましたが、アレックスを頂点に据えて、山形恭平をその下に置く4ー3ー3気味の布陣はそのまま。前半途中には田中を頂点にアレックスを1列下げる形も試し、最後は結局リンコンを投入するあたりに模索している感じが伝わってきます。一方の札幌は、試合前に三浦監督と話した時には「まあまだ大宮の時ほどやりたい事が浸透している訳ではないからなあ」とおっしゃってましたが、DF4枚とMF4枚で構成されるツーラインが見せる徹底された守備意識は、8節にしてかなりの完成度を誇っているように私には見えました。ただ、今日はピッチ状態もあってか、なかなかカウンターも繰り出せなかったのですが、今日出場したFW3人の今季合計ゴールが0という決定力不足は今後に向けても致命的になりうる部分でしょう。確かにサッカーで一番解決するのが難しい所ではありますが。まあそういう事もひっくるめて今日に関しては、「勝ち点1あげられて結果としてはよかった」(リトバルスキー監督)「トータルで見ると引き分けは妥当かなと。中2日に移動も含めて厳しい中で勝ち点1取れたのはまだ(今の段階なら)よかったと言えるかな」(三浦監督)という両監督の話は額面通り受け取れると思います。なお本日のMVPは、西が丘にも関わらず、強い雨の中でゴール裏を埋め尽くした札幌サポーターと、数こそ少なかったものの熱さで対抗していた福岡サポーターだったのではないでしょうか。　　AD土屋