リーグ戦3連勝、しかもすべて完封勝利と目下絶好調の名古屋を三ツ沢で横浜FCが迎え撃つ一戦。前節と変わらぬ布陣の名古屋に対して、横浜FCはナビスコで磐田に勝ったメンバーそのまま。難波とシウバの2トップに加え、ボランチに根占を起用してきました。前半は最初の5分こそ横浜FCが押し込みますが、基本は名古屋ポゼッションの横浜FCペース。名古屋は、一旦引いてから整えるDF4人とMF4人のツーラインを相手にスペースを見い出せず、攻撃が手詰まりに。ロングボールを多用されたこともあって、鋭い攻守の切り替えができません。さらに楢崎も前半で負傷交替を余儀なくされ、嫌な空気が流れます。一方の横浜FCは、中盤で1枚相手が余る噛み合わせながらもゾーンで見事に対応。飛び出してくる名古屋の選手をフリーにする場面はほとんど見られませんでした。そして62分には、奥のCKからこぼれ球を最後はルーキー難波が押し込み、横浜FCが先制。昨シーズンにもよく見られた、1ー0勝利のハマナチオ的展開を予感させましたが、しかしたった2分後には名古屋がその堅陣を切り裂きます。オーバーラップした増川の速いクロスに合わせてニアサイドへと飛び込んだのは杉本。再び試合は振り出しに。さらに2分後、杉本が鋭い切り返しから上げたクロスをヨンセンがスルー。山口が懸命に足を伸ばして放ったボレーは、絶妙のコースへとスローモーションのようにゆっくり吸い込まれます。なんとわずか5分あまりで3ゴールが生まれ、さらに逆転劇が生まれました。逆転された側の横浜FCは久保とチョン・ヨンデを投入、さらにアドリアーノをリーグ戦では初めてピッチに送り込み、必死に同点を狙います。そして迎えた後半ロスタイム。アドリアーノのクロスは、DFがクリアしきれずフリーになっていた久保へ。体勢を崩しながらも放ったシュートはGKに弾かれますが、ボールは和田の前に。スタジアム中の横浜FCサポーターが同点による歓喜を想像したであろうシュートは、しかしスコアに影響を与えることなく枠の外へ。直後にタイムアップの笛が鳴り、名古屋は開幕4連勝を飾りました。横浜FCは、高木さんも会見で少し触れていましたが、1点取った直後にさらに攻めるのか、一旦落ち着かせるのかの判断が曖昧になった所を自分たちのミスもあって突かれたと。たった2分間の迷いが大勢に影響を与えてしまうこともあるんですね。いやあ、しかし報道陣が多い多い。昨シーズンなんて昇格争いの佳境でもたかが知れてたのに。やっぱり上で戦うってこういうことなんですね。もう試合後に高木さんとゆっくり話したりとかは難しいなあ。　　AD土屋