日曜開幕の2試合、私は言わずもがなですが日立台へ足を運びました。試合前にはバックスタンドに“一心同体”の人文字が。2年ぶりにJ1が日立台に帰ってきたことを、サポーターから実感させられましたね。さて、試合序盤はかなり退屈な内容。開始15分で両チーム合わせてシュートは1本。共に攻撃の形が見えず、中盤での攻防が続きます。そんな流れで迎えた24分、鈴木達也が思い切りよく放ったシュートがDFに当たり、さらにクロスバーへ。フランサが抜け目なく押し込み、突如として日立台が爆発しました。ここから試合が少しずつ動きを見せ始めましたが、それでも依然として共に決定機までは作れず、柏の1点リードで前半終了。やや消化不良の45分となりました。4ー3ー1ー2で臨んだ磐田は、太田と西のツートップがボールを収められず、トップ下に入った成岡との連携も希薄で手詰まりに。トリプルボランチも「前へと攻撃に出られなかった」(磐田・アジウソン監督)状態で、完全に各ラインが分断されていました。ただ、それも柏の絶え間ない強烈なプレスが呼び込んだ部分が大きかったのではないでしょうか。特にアルセウと山根のダブルボランチは中盤で睨みを利かせ続け、57分にはその山根の素晴らしいインターセプトを基点にカウンター。フランサのスルーパスを菅沼が確実に右スミへ流し込み、点差を2点に広げました。実は、このゴールの6分前にカレンからのパスを受けた成岡がどフリーでのシュートをふかすというシーンがありました。決まっていれば同点だっただけに、ここが今日の大きな分岐点になったと思います。さて、勢いづいた柏は63分に蔵川が右サイドからチャンスを演出。菅沼のシュートのこぼれに詰めていたのは再度フランサ。これで3ー0。続く73分には菅沼が見事にコースを狙ったミドルを突き刺し、4ー0に。昨年苦難のJ2を戦い抜いてようやく迎えた開幕戦としてはこれ以上ないという衝撃的な圧勝で、J1復帰を柏が高らかに宣言しました。ちょっと前述しましたが、柏最大の勝因は90分間休むことなくかけ続けたプレスが効いていたことでしょう。1対1でも粘り強く対応、チーム全体から気迫が伝わって来ましたね。一方の磐田は、ツートップの組み合わせやトリプルボランチの役割分担など再考すべき部分が少なくなかったような気がします。とりわけ途中で入ったカレンも含めてFW3人でシュート0というのはあまりに寂しい結果。監督采配も含めて、チームとしての意識統一の差がそのまま結果に出てしまったような試合でした。　　AD土屋