ふと出てきたモノがありました。2002年6月11日、横浜国際競技場、カテゴリー3。学生時代、可能な限りの手を尽くして抽選の末に手に入れたチケット。2002 FIFA ワールドカップ、MATCH36、サウジアラビア対アイルランド。ロビー・キーンがボレーを決めて弓矢を飛ばした試合です。アイリッシュサポーターは本当に陽気で、試合前からビールを飲んで大騒ぎ。ドサクサに紛れて、狂乱の宴にうっすら混じって写真を撮らせてもらいました。その中で、一番仲良くなった男性は、私が着ていたリーズのレプリカを見て「Ian Harte、Gary Kelly、Robbie Keane」と暗唱した後、「But I love CELTIC！」と誇らしげに叫んだんです。座席もたまたま近くで、試合後には、またどこかで会う日までという話をして別れました。時は流れて4年後、セルティックには日本人の選手が加入し、チャンピオンズリーグでマンチェスターユナイテッドを沈めるFKまで決めてみせてくれましたね。もしその時に、彼が私の事は忘れていても、あの日の横浜を思い出してくれていたら、些細な事ではあるけれど、日本でワールドカップを開催した意味が一つ見い出せるような気がします。　 AD土屋