個人的には15年ぶりの駒沢。15年前に見たカードは清商×鹿実という黄金カードで、平野孝、望月重良、川口能活、前園真聖、城彰二など錚々たるスターがひしめき合ってました。さて、今日行われるのは3回戦。夢の国立まではいよいよあと2勝。第1試合は北海道の室蘭大谷と岡山・作陽が激突しました。室蘭は、Uー17候補の宮澤裕樹(2年)と樋渡英之(3年)で構成するツートップの能力が高く、早めに2人へ預ける形を多用。宮澤はフィジカルが強く、シュートへの意識も高い選手で、18分にはGKがパンチングしたボールをダイレクトで叩き、右ポストにぶつけます。対する作陽は、最終ラインからしっかりつないでサイドに展開する意識は強いものの、シュートがなかなか打てず、ゴールの予感は薄いまま最初の40分は経過していきました。そして47分、このゲームで最もゴールに近づいた瞬間が訪れます。室蘭のカウンター。右からのクロスを樋渡が絶妙のラストパス。走り込んで来た西山峻太(2年)が巧く合わせましたが、ボールはクロスバーを叩いてゴールライン上に落下。先制点とはなりません。その後は、作陽がポゼッションの高さを生かして押し気味の展開に。53分には後半から投入された小室俊之(3年)が快足を生かし、GKと1対1に挑みますが、ここは山田賢二(3年)がファインセーブ。78分、立川雄大(3年)が放ったシュートはバー直撃。結局共にゴールは生まれず今大会多発しているPK戦にもつれ込みました。ここでも室蘭GK山田は相手3人目のキッカーを素晴らしい反応でストップしましたが、チームメイトは1人がバー、1人がポストにぶつける不運。作陽が準々決勝に進む権利を得ることになりました。印象的だったのは、22人の中で2人にしかわかり得ない緊張感から解き放たれた両GKが、終了の整列前にセンターサークル内で健闘を讃え合っていたのと、悔しくてたまらないはずの室蘭イレブンが誰一人崩れ落ちることなく、すみやかに整列していたことです。高校生らしいなんて言うつもりはありませんが、いいモン見たなあという気分になりました。　　AD土屋