駒沢会場第2試合は、一昨年のインターハイ王者青森山田と、優勝を義務付けられた王国からの刺客、静岡学園の一戦です。まず静学のスタメンを見てビックリ。私、静岡決勝も取材に行ったのですが、その時のスタメンから実に6人が入れ替わってました。恐るべき選手層。そんな静学は、3ー5ー2でスタートしたのですが、この日右SHに入った川崎入りが内定している10番杉浦恭平(3年)には、青森山田の李澤忍治(3年)がマンツーマンで付き、なかなかフリーにしてもらえません。一方、青森山田も10番を背負う、リケルメに立ち振る舞いがそっくりなベロカル・フランク(3年)はあまりボールに絡めませんでしたが、周囲が奮起。6分には佐々木絢也(2年)、10分にはキャプテン板倉大智(3年)がゴールに迫り、青森山田がペースを握ります。やや劣勢だった静学も、21分にはゴール前で静学らしくショートパスを繋ぎ、最後は大石治寿(2年)が狙いますが左に外れます。35分には、県大会MVP国吉貴博(3年)のクロスを杉浦が折り返した所に再び大石が詰めるもボールはバーの上へ。やや静学も盛り返しましたが、フィジカル面で青森山田にややアドバンテージがあり、それがそのまま前半の攻勢に繋がっていたような印象を受けました。後半も、まず48分に板倉がフランクとのワンツーからシュート。わずかに枠を外れますが勢いをそのまま持続しているかに思えました。しかし、結果的にこれが青森山田この試合最後のチャンスとなるのです。静学は、後半開始からFW伊藤達也(3年)を投入。大石とツートップを組ませ、国吉を右SHに、そして杉浦をトップ下に配置しましたが、これが大成功。伊藤はくさび、スペースとボールを丁寧に収め、国吉も技術の高さを生かしてサイドで起点となり、攻撃のリズムを生み出します。54分、伊藤が2人を引きずりながら放ったシュートはバーの上へ。59分、国吉のパスを受けた杉浦が速いクロス、フリーで飛び込んだ枝本雄一郎(3年)はミートできず。その後も62分に枝本、65分に大石と立て続けに決定機を創出。そして79分、国吉が放った絶妙なFKはクロスバー直撃。なかなか決め切ることができず、PKが濃厚となってきた終了間際。しかしこの時間帯に歓喜の瞬間が待っていました。ロスタイムも1分を過ぎた頃、右から上げられたクロスに頭を振り抜いたのは大石。厳しいコースに飛んだボール。GKもよく触りましたがラインを越え、土壇場で静学が決勝点。静岡県勢7年ぶりのベスト8を決めました。ちなみに今日の静学は全身真っ赤なユニフォームでのゲーム。違和感ありまくりでしたよ。　　AD土屋