アウェイ平塚競技場を埋め尽くした黄色のサポーター。そして彼らと選手が織り成すいつもと同じ勝利ダンス。しかしそこに掲げられたゲートフラッグには"笑格"の文字が。J2第52節、自力昇格の権利を持たない柏レイソルは0ー3で勝利を収め、ベガルタ仙台のアシストを受けて見事1年でのJ1復帰を果たしました。「すごく硬かった」と石崎監督も認める立ち上がりは、圧倒的な湘南ペース。アジエルと元ミスターレイソル加藤が自在に動き回り、開始15分までに3度の決定機をつかみますがゴールを陥れるまでは至らず。20分過ぎからは、やや柏が中盤でファウルをもらえるようになり、盛り返します。すると33分、蔵川のクロスにファーで待ち構えていたのは7試合ぶりに先発出場したフランサ。ワントラップから冷静に右スミへと突き刺し、柏が先制しました。湘南も44分には加藤のCKに中町が合わせますが、この日2度目のバー直撃。0ー1で後半へと折り返しました。するとハーフタイムに仙台リードのアナウンスが。柏サポーターのボルテージも上がります。後半開始から「ウチの右を狙われていたので」(石崎監督)谷澤に替えて小林亮を右SBに投入し、蔵川を一列上げる布陣に移行した柏は53分、リカルジーニョのFKに石川がバックヘッド。この日、抜群の安定感を見せた左SBの2戦連発弾で2点のアドバンテージを得ます。ホーム最終戦を勝利で飾りたい湘南は、63分に佐藤と戸田を同時に送り込んで攻撃モードに打って出ますがその1分後。フランサが左に展開、佐藤のクロスに走り込んだのはそのフランサ。シュートはGKがよく弾きましたが、こぼれ球をリカルジーニョが確実に押し込み、3点目。一応のセーフティリードを奪いました。この後試合はともにチャンスもあまりなく膠着状態に。柏はロスタイムに今シーズンずっとチームを牽引してきた負傷中のディエゴを投入する余裕も見せながら、終了のホイッスルを聞きます。そして一瞬スタジアムが静寂に包まれた直後、ベンチとスタンドの一部から歓声が。神戸が仙台に2ー1で敗れたため、勝ち点で逆転して柏レイソルの、そして石崎監督悲願のJ1昇格が決まりました。監督に抱きつく山根、ベンチ前で号泣する岡山、そしてベンチ外のメンバーも含めてピッチ上では至る所に歓喜の輪が。長い長いシーズンの末に待ち受けていた最高の瞬間を、それぞれが爆発させました。しかしこれだけ長く、52節も戦ってきてやっぱり最終戦で決まるんですねえ。J2っていうのはホント不思議なリーグです。そして、J1では浦和レッズがガンバ大阪との頂上決戦を制して年間では初の王者に。そして入れ替え戦枠争いは、福岡が土壇場でC大阪をうっちゃって16位を確保しましたね。その他にも各地で今季最終戦が行われていたので、皆さまからのお話をお待ちしております。いやあ、ホント疲れた…　　AD土屋