前節、首位神戸に競り勝ち再び自動昇格枠を視界に捉えた柏。そして今日引き分け以下で3位以内への可能性が潰える仙台。イエローを基調とするチーム同士の意地の張り合いは、この日ホワイトのユニフォームを纏ったアウェイチームが流れをつかみます。3ボランチの布陣を敷いた仙台は、各選手が忠実に持ち場を守って穴を開けず、引いてカウンターを徹底。37分には熊林のCKにボルジェスが合わせ、先制します。「今日もまたセットプレーから失点した」(柏・石崎監督)柏でしたが、その1分後にこの日ポストプレーが冴え渡った山下の落としを受けたディエゴが倒されPK。自らキッチリ沈めて、タイスコアに戻しました。後半も流れは仙台。右サイドで中島を起点にチャンスを作り、2列目からの飛び出しを捕まえきれない柏を尻目に、幾度となく菅井や村上がゴールに迫ります。そして70分にはPKを獲得、勝ち越す絶好のチャンスにキッカーはチーム得点王のボルジェス。しかしゴール右へと蹴られたボールは南が起死回生のファインセーブ、大歓声がスタジアムを包みます。その後、両者交代のカードを切って総力戦となりましたが、84分、CKのこぼれ球に走り込んだのは蔵川。25メートル近いミドルがゴール右スミに突き刺さり日立台は沸騰。結局イエローのユニフォームで戦ったホーム柏が、2節続けての劇的勝利でガッチリ上位に食らい付きました。仙台もよくゲームプランを遂行してファイトしましたが、「時間帯から言っても絶対外してはいけないPK」(仙台・ジョエルサンタナ監督)を外したことが結果から見れば致命傷になりました。ますます混沌としてきたJ2、残るは3試合。柏は次節、今季負け越している山形のアウェイに乗り込みます。写真は柏の勝利を伝える号外。　　AD土屋