国立競技場のセンターサークルで、初のW杯出場に向けてボールに魂を込めてから9年。あの時と同じツートップが、今度はクラブ初のJ1昇格に向けて再びボールに魂を込めてキックオフされた特別な試合は、このゲームだけを見ればスコアレスドローに終わりましたが、他会場の結果を考慮すれば貴重な勝ち点1となりました。全体的に動きの重い横浜FCは、前線の動き出しが少なくボールが収まらずにシュートまでの形を作れません。逆に徳島は、玉乃と岡本からの展開を中心に右SHのキムを絡めた攻撃が機能し、30分過ぎからは一方的に攻め立てます。前半45分はやや徳島優勢で終わりました。しかし後半に入ると、横浜FCが反撃。50分にはカズが左サイドを華麗に突破し、折り返した先にはフリーの城。しかしシュートは大きくバーを越え、三ツ沢は溜息に包まれます。57分には切り札アレモンを投入、3分後に城のスルーパスからアレモンがゴールを陥れるもオフサイド。64分にも城が高い技術でゴールを急襲しますが、GKの好守に阻まれ1点が遠い展開に。一方徳島は67分に羽地が入ると、クサビのボールが収まり出し、ミドルで菅野を脅かします。徳島のアグレッシブな姿勢が目立ったゲームは、こうして0ー0というスコアで終了しました。試合後には城からサポーターへ今季の契約前から決めていたという現役引退の報告が。「みなさんの力で僕たちと共に必ずJ1に行きましょう！」という力強いメッセージに、徳島サポーターまでもが「ジョーショージ」コールを繰り返していました。結局、2位柏が敗れて3位神戸が引き分けたために横浜FCとの差は共に2。次節条件次第で昇格がいよいよ決定します。写真は、サッカー場に隣接してるテニスコートで行われていた熱戦。　AD土屋