「今まで連敗がなかったので、そういう意味でも重要なゲーム」(高木監督)と位置付けられた3位4位の直接対決は、意外なまでにワンサイドゲーム。「なかなかできないと思いますよ(笑)」と本人が振り返った城の一撃、「滝澤が蹴りにくいと言ったので直前で替わって蹴った」カズのCKからその滝澤の一発、そして「精神的にも強いので大丈夫だろうと思って」(高木監督)、81分に投入された、Jデビュー戦となる特別指定選手、難波宏明が見せた豪快なゴールと3点全てをヘディングで揃えた横浜FCの完勝でした。実はこのゲーム、横浜はアレモン、仙台はボルジェスと共に絶対的な得点源を出場停止で欠いていました。その側面から見ても、どちらが成熟した組織をシーズン通して構築してきたかは一目瞭然だったと思います。試合後、殊勲の難波選手の周りには何重もの記者の輪が。その場所がちょうどチームバスから見える位置だったんです。先に乗り込んでた先輩たちはニヤニヤしながらその光景を眺め、キングカズや吉野は「先いっちゃうぞー」とからかってたんです。するとおもむろにバスの窓を開けたのは山口素弘。そして、両手を鼻に持ってって「難波〜、コレか(天狗の意)。そうやっていなくなっちゃったヤツ、何人も知ってるぞー。」とキツイ一発。それを聞いて当の難波選手はオロオロ。チームバス内とミックスゾーンが爆笑の渦に巻き込まれたのは言うまでもありません。雰囲気も抜群。今の横浜FCに死角は見当たらないかな。写真は記者控室にあった横浜FC選手全員のトレカ。　　　AD土屋