カード、時期、両チームの現状から鑑みて本当の意味での今シーズンJ2最初の大一番は、激しい雨の中で争われました。柏は岡山、小林亮、蔵川を出場停止、小林祐を負傷で欠く中、右から大谷、落合、鎌田、石川という急造4バックで臨みます。一方の横浜もキャプテン城が出場停止。アレモンが1トップ気味に張り、トップ下に内田が入る4-4-1-1気味の布陣を敷きました。ピッチ状態もあり、イージーなミスが散見され、少しフワフワした立ち上がりを経ても共に主導権を握れないまま、淡々と経過する時間。そんな重い展開をを切り裂いたのはセットプレーでした。39分、アウグストの負傷もありスタメンを射止めた滝澤のFKにチョンヨンデがほとんどフリーで頭を振りぬき、均衡が破れます。この試合、柏ディフェンス唯一といっていいエアポケットをきっちり突いてくるしたたかさ、一味違う今年のチームを象徴するような先制点でした。連敗は避けたい柏は、60分に見せ場の少なかった北嶋とフランサをスイッチ。この10番の正確なポストでここから10分近くリズムを掌握してゴールへと迫りましたが、「チャンスになりかけたのにシュートまで行けず」(石崎監督)これが最後まで響きました。ロスタイムの5分間も確実に殺した横浜FCが力強く勝利、ポイントを67へ。敗れた柏は68で変わらずも首位陥落。神戸もロスタイムで追い付かれたため68止まりで、上位3チームは1試合でそれぞれ順位に変動が出る混戦となってきました。高木監督は会見で「我々のサッカーを三ツ沢のサポーターにキチンと見せることができて嬉しい。」と評価。城に代わってキャプテンマークを巻いた山口も「非常にいいパフォーマンスができたが、まだまだ次もあるし1つ1つ前に進むだけ。」と冷静そのもの。近年類を見ない優勝争い。今週末からJ2はいよいよ最終第4クール、審判の時を迎えます。　　　AD土屋