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前田大然がゴール
つまり、ガーナ戦でアピールのチャンスを与えられた選手の多くは、「チャンスをものにした」とは言い難かいのである。
そんな中で気を吐いたのがパラグアイ戦に続いて右サイドバックで起用された山根視来だった。
右インサイドハーフの久保やサイドハーフの堂安という、初めて組むメンバーとは思えないようにスムースにパス交換しながら、再三相手陣内深くまで攻めあがった。川崎フロンターレで家長昭博と組んでいる時と同じようなスムースな動きだった。
ブラジル戦で攻撃が機能しなかったのは、2列目、3列目からの攻撃参加がなく、前線が孤立してしまったからだ。唯一あったとすれば前半36分に長友佑都がボックス内深くまで飛び出してクロスを入れた場面だった。
山根視来
その長友を意識したのか、山根は攻撃面でのトライをし続けた。そして、29分に堂安や久保と絡みながら相手ゴール前に飛び出して、見事に先制ゴールを叩き込んだのだ。結果としても素晴らしいし、何よりも山根は「トライする姿勢」を見せてくれた。
もちろん、前半44分にプレッシャーがかかった場面でもないのに決定的なパスミスをして唯一の失点の原因を作ってしまったのは山根にとって大失態ではあったが、それも単なるクリアではなく、味方につなごうとしたトライの結果でもある。
大きな減点はあったものの、ガーナ戦で最も評価を上げたのは山根だったのではないだろうか。長友の右サイド起用も成功したことで、ポジション争いは激しさを増しているのだが……。
4-1で日本が勝利
文:後藤健生
写真:Noriko NAGANO
後藤 健生
1952年東京生まれ。慶應義塾大学大学院博士課程修了(国際政治)。64年の東京五輪以来、サッカー観戦を続け、「テレビでCLを見るよりも、大学リーグ生観戦」をモットーに観戦試合数は3700を超えた(もちろん、CL生観戦が第一希望だが!)。74年西ドイツ大会以来、ワールドカップはすべて現地観戦。2007年より関西大学客員教授
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