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サッカー フットサル コラム 2022年5月27日

柏レイソルU-18の元気印。大槻豪が発する絶対的なエネルギーの重要性 【NEXT TEENS FILE.|高円宮杯】

土屋雅史コラム by 土屋 雅史
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【ハイライト】柏レイソルU-18 vs. FC東京U-18|高円宮杯 JFA U-18 サッカープレミアリーグ2022 EAST 第8節

これでリズムは反転。後半に2点を奪って逆転すると、さらにこの男の真価が発揮される。「自分はレイソルのこのスタイルにあまりこだわっていなくて、自分のストロングを出すことと、試合に勝つことに意識が向いているんです」。自ら挙げた対人の守備やヘディングというストロングを前面に押し出しながら、周囲に声を掛け続ける大槻の、まるで炎を纏っているかのようなエネルギーが、ピッチに熱く火をつけていく。

チームを率いる酒井直樹監督も「チームの中にはいろいろな役割があって、ああいうことができるのは彼ですし、ああいうところに本気で目を向けてできる姿勢は評価しています。それにプレーが伴わなかったらダメだと思うんですけど、そういう部分も伴っていますよね」と高評価。もちろん熱さだけではなく、水準以上のプレーレベルが伴っていることも、このセンターバックの存在価値を高めている。

終盤には1点差に追い上げられたものの、「チームを鼓舞するのが自分のタスク」と言い切る大槻は、高い集中力を保ちながら、仲間を鼓舞する声を絶やさない。そして、タイムアップのホイッスルが鳴ると、力強いガッツポーズを繰り出したあと、そのままピッチに崩れ落ちる。「出ている人も、出ていない人も全員が声を出して、チーム一体となっていたので、凄く良い勝利でした」。みんなで掴んだ1勝が、とにかく嬉しかった。

ジュニアから黄色いユニフォームに袖を通してきた、生粋のレイソルファミリー。「トップチームにいる古賀太陽選手は、ユース時代からずっと見てきて、お手本にしています。自分は大好きですね」と言い切る大槻の背番号は、古賀と同じ4番。キャラクター的には4年前のチームのキャプテンで、やはり4番を背負っていた杉井颯(AC長野パルセイロ)に通じるところもあるが、プロの道へと足を踏み入れた先輩たちのように、ここから努力を積み重ねることで、新たな道を切り拓いていきそうな雰囲気が、今年の4番からも漂っている。

取材が始まる時には「4番、大槻豪です」と律儀な自己紹介を忘れず、取材が終わると我々に礼儀正しく挨拶をしたあと、コーチングスタッフにも同じようにしっかり挨拶をしてから、颯爽とその場を後にする光景も印象深い。こういうタイプのいわば“いいヤツ”がいるグループは、必ずと言っていいほど円滑に回っていくものだ。

ある意味では最もレイソルらしくない選手だけれど、ある意味では最もレイソルらしい選手とも言える、不思議な魅力を湛えた男。今日も明日も明後日も、練習グラウンドにはきっと大槻の大声が響き渡っているに違いない。

大槻豪

 

文:土屋雅史

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土屋 雅史

土屋 雅史

1979年生まれ。群馬県出身。群馬県立高崎高校3年時には全国総体でベスト8に入り、大会優秀選手に選出。早稲田大学法学部を卒業後、2003年に株式会社ジェイ・スカイ・スポーツ(現ジェイ・スポーツ)へ入社し、「Foot!」ディレクターやJリーグ中継プロデューサーを歴任。2021年からフリーランスとして活動中。

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