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アジア最終予選で苦況から抜け出せたのは、遠藤航、守田英正、田中碧のトライアングルがはまったからだ。
カタール大会でもこの3人がベースになるのは当然だが、人が変わっても同じようなパフォーマンスを示す必要がある。フランクフルトのヨーロッパリーグ優勝に貢献した鎌田大地が久しぶりに招集されたが、鎌田をどのように起用するのか。守田または田中の代わりにインサイドハーフとして鎌田を入れて4−3−3を継続するのか、それともかつて日本代表で鎌田がプレーしていた時のように4−2−3−1に変更するのか。
4試合の中のどこかで、2つのやり方(鎌田のインサイド起用か、4−2−3−1への変更か)を試すことになるだろう。
攻撃に比べて守備は組織が大事だから、守備陣ではそれほど大きな変更はないだろう。吉田麻也と冨安健洋のセンターバック。酒井宏樹の右サイドバック(今回は欠場だが)。これがベースで、後は左サイドを長友佑都にするか、中山雄太にするかである。
だが、ポジション柄、警告の累積で出場できないこともあれば、負傷で欠場のリスクもある。したがって、センターバックも吉田−冨安のコンビだけでなく、板倉滉や谷口彰悟、あるいは初招集の伊藤洋樹を起用してさまざまな組み合わせを試しておきたい。また、今回は酒井が不在なので、冨安をアーセナルでのようにサイドバックでテストするためには絶好のシチュエーションとなった。
つまり、守備陣は基本形は崩さずにコンビネーションを上げながら、毎試合1人、2人ずつ選手を入れ替えてみる。一方、攻撃陣ではさまざまな新戦力候補を大胆にテストして、“ポスト大迫”の攻撃の形を作り上げなければならない。
4試合を通してしっかりと戦い抜いて、4試合目でも勝つ。それが、2022年ワールドカップに臨む日本代表の目標だ。6月のテストマッチでも、ブラジルのような難敵とも戦いながら3試合目のガーナ戦までに勝点5以上を取って、さらに4試合目(キリンカップ決勝または三位決定戦)を勝ち切りたい。
つまり、6月シリーズは“模擬ワールドカップ”なのである。
文:後藤健生
後藤 健生
1952年東京生まれ。慶應義塾大学大学院博士課程修了(国際政治)。64年の東京五輪以来、サッカー観戦を続け、「テレビでCLを見るよりも、大学リーグ生観戦」をモットーに観戦試合数は3700を超えた(もちろん、CL生観戦が第一希望だが!)。74年西ドイツ大会以来、ワールドカップはすべて現地観戦。2007年より関西大学客員教授
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