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サッカー フットサル コラム 2022年5月1日

Jリーグ初の国立開催は大成功。だが、継続使用するには多くの障害が立ちはだかる

後藤健生コラム by 後藤 健生
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このように、国立競技場でのJリーグ開催は、さまざまな立場の人たちからポジティブな評価を受けた。しかし、では、30年前のJリーグ発足直後のように、これから多くの試合がこのスタジアムで開催されるかといえば、答えは「ノー」である。

今シーズン、開催が予定されているFC東京のホームゲームのは9月17日(または18日)の第30節、京都サンガFC戦のみ。その他、7月2日には清水エスパルスが第19節の横浜F・マリノス戦を国立競技場で開催することになっている。また、5月14日には女子のWEリーグのINACレオネッサ神戸が浦和レッズレディースとの試合を国立競技場で開催する。

静岡県静岡市をホームタウンとする清水や兵庫県神戸市のINAC神戸が国立で試合を開催するのはあくまでも臨時の、特別のイベントだ。

しかし、FC東京は東京全域がホームタウンとなっている。国立は陸上競技場ではあるが、本来の本拠地の味の素スタジアムも現在は陸上トラックは使用されていないが、スタンドの構造は陸上競技場なのだ。そのうえ、味の素スタジアムは夏場になると、ピッチ状態が悪いことも多い。

だとすれば、FC東京にとって国立開催を増やすことに支障はなさそうだ。

しかし、国立競技場の使用料は味の素スタジアムに比べればかなり割高になる。また、あまりに巨大で、あまりに様々な機能を詰め込んで建設された国立で試合を開催するにはかなり多くの係員を動員しなければならないというのだ。

だから、クラブとしては特別のイベントとして以外、国立競技場を使用することは採算に合わないという。

しかし、アクセスが良くて試合が見やすく、しかもピッチ・コンディションも抜群というこのスタジアムを使用しないまま放置するというのはあまりにももったいないではないか。なにしろ、このスタジアムを建設するために、1500億円という桁外れの巨費が投じられているのだ。

国立競技場を管理運営する独立行政法人日本スポーツ振興センター(JSC)にしても、国立競技場が使用されなければ、使用料収入が入らず、維持費だけが嵩むことになるはず。それなら、もっと使用頻度を上げるために使用料を引き下げたり、限定的に使用することによって試合運営のためのコストを下げる工夫をすべきではないか。

スタジアムが、様々な形で頻繁に利用されて日本のスポーツのために役立つのであれば、赤字はある意味で仕方がない。しかし、ほとんど使用されることもなく、ただただ巨額の維持管理費だけが半永久的にかかり続けるというのは、実にばかげたことだ。

諸機関で協議して、なんとかこの巨大なスタジアムを活用する方法を探ってほしいものである。

文:後藤健生

後藤 健生

後藤 健生

1952年東京生まれ。慶應義塾大学大学院博士課程修了(国際政治)。64年の東京五輪以来、サッカー観戦を続け、「テレビでCLを見るよりも、大学リーグ生観戦」をモットーに観戦試合数は3700を超えた(もちろん、CL生観戦が第一希望だが!)。74年西ドイツ大会以来、ワールドカップはすべて現地観戦。2007年より関西大学客員教授

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