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サッカー フットサル コラム 2022年4月19日

サガン鳥栖U-18・坂井駿也が手に入れつつある絶対的な自分の芯 【NEXT TEENS FILE.|高円宮杯】

土屋雅史コラム by 土屋 雅史
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実は去年の夏、坂井は一時的なスランプに陥っていた。チームメイトの福井太智がJ1でデビュー。同じ2種登録選手だったにも関わらず、仲間に先を越されたことで「『自分もやらないといけない』という想いが強くなって、いろいろ抱え込み過ぎてミスが増えたりした」時期を過ごしていたという。

だが、周囲のアドバイスもあり、意識改革を敢行。ベクトルを自分に向け直すことで再び高水準のプレーを取り戻す。今年も福井は既にプロ契約を結んだが、「悔しい部分はあるんですけど、率直に『おめでとう』というのが自分の想いでした。去年は『先にやられた』と思っていましたけど(笑)、今は落ち着いてやれているのかなと感じています」ときっぱり。視線は自分自身にしっかりと注がれているようだ。

今季は既にルヴァンカップ2試合に出場。Jリーグのピッチを味わったことで、収穫と課題を改めて実感した。「『緊張するのかな』と思ったんですけど、まったく緊張しなくて、途中から出てもゲームに入り込めましたし、落ち着いてできました。ただ、ボールを受けて捌いたりすることはできるんですけど、受けた後に相手の嫌なところを突くとか、仕掛けるとか、そういうところがまだまだなので、そこができたらもっとプレーエリアも広がるかなと思います」。

あのレベルと雰囲気を一度知ってしまったからには、そこは目指すべきところではなく、少しでも早く到達すべきところであることに、坂井はもう気付いてしまっている。「交代で入るところが今の自分の立ち位置で、本当に上を目指すならルヴァンではスタメンで出ないといけないですし、Jリーグでもメンバー入りして試合に出ることは、ここから先の自分にとっても大事かなと思います」。

本田風智や中野伸哉、相良竜之介、兒玉澪央斗など教え子をトップチームへと送り込んでいる田中監督は、彼らが持っていた基準を考慮しながら、この日の坂井に対して「後半のパフォーマンスは良かったと思うんですけど、2種登録していて、ルヴァンカップも出て、ということを考えると、やはり前半のパフォーマンスにはまだまだ物足りない部分があるのかなと思っています」と温かくも厳しい評価を口にしている。

力強く言い切った本人の言葉が頼もしい。「もっと努力してトップの選手たちを追い越さないと、ポジションを奪えないと思うので、もっともっと貪欲に頑張らないといけないと思います」。ライバルはトップの選手たち。ならば、どれだけ成長しても、成長し過ぎるということはない。

あるいは、いきなりJ1でスタメンに抜擢されるだけの力は、今でも十分に備えていると言っていいだろう。そして、揺るがぬ“自分の芯”を手に入れつつある坂井は、きっとその準備を万全に整えているはずだ。

 

文 土屋雅史

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土屋 雅史

土屋 雅史

1979年生まれ。群馬県出身。群馬県立高崎高校3年時には全国総体でベスト8に入り、大会優秀選手に選出。早稲田大学法学部を卒業後、2003年に株式会社ジェイ・スカイ・スポーツ(現ジェイ・スポーツ)へ入社し、「Foot!」ディレクターやJリーグ中継プロデューサーを歴任。2021年からフリーランスとして活動中。

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