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ヨーロッパのシーズンが開幕したばかりで選手のコンディションが上がり切っていない時期に長距離移動を強いられたことが影響した結果だ。対戦相手のオマーンは長期合宿を組んだ後、早めに日本に入って調整していたのだ。
初戦を落とした影響で、「大苦戦」の印象が強くなってしまったが、その後の日本は次第に調子を上げてきた。3戦目はサウジアラビアに敗れたが、今回のサウジアラビアは攻守のバランスがとれた強いチームだったので、アウェーでの敗戦は「想定内」と言っていい。柴崎岳のバックパスのミスを拾われての失点だったが、あの失点さえなければ、ほぼ互角。引き分けが順当なゲームだった。
そして、4戦目でオーストラリアに勝利してからは日本代表は6連勝。しかも、5戦目以降は5試合連続の無失点。2022年に入ってからの3試合はいずれも2対0というスコアでの勝利だった。
1対0(いわゆる「ウノゼロ」)は、かなり危険な試合である。サッカーの試合では、どんなに完璧にゲームを進めていても、ちょっとした不運とか誤審とかがあれば、失点してしまう(中国対サウジアラビア戦がその典型例だ)。
だから、僕は「2対0」(ドゥエゼロ)こそが完勝だと思っているので、強豪オーストラリアに2対0で勝利できたのは、大きな成果だった。
もし、このオーストラリア戦に問題があるとすれば、得点が89分と90+4分だったことだ。
ゲームの終盤、オーストラリアには疲労がたまり、パワープレーを仕掛けることも出来なくなっていた。そんな時間帯に投入されたフレッシュな選手が2点を決めた。前半から日本が両サイドハーフとサイドバックが協力してチャンスを作り続け、またトップに入った浅野拓磨がそのスピードを生かして相手守備ラインを押し下げ続けた結果だった。
「相手の足を止めて終盤に仕留める」というのは非常に合理的な試合の進め方ではあった。
だが、日本はキックオフから30秒も経たないうちに南野拓実がシュートを放ったのをきっかけに、前半からチャンスの山を作っていたのだ。だが、南野のヘディングシュートがクロスバーに当たるなどして、得点できないまま時計の針が進んでいった。その間には、数は少なかったものの、オーストラリアにもカウンターから何度かの得点機が訪れ、25分にはファウルの判定で得点は認められなかったものの、CKからのボールを押し込まれてしまう場面もあった。
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