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バロンドールを掲げるシェフチェンコ
2月24日、ロシア軍が国境を越えてウクライナへの侵攻を開始。26日には首都キエフ市内でも戦闘が始まったという報道もある。つい先日まで「行動を起こすにしても親ロシア派が一方的に独立を宣言している東部2州に限るのではないか?」とも言われていたが、ロシアのウラディーミル・プーチン大統領の決断はキエフを含む主要都市制圧を目指す全面的軍事侵攻だった。
「ウクライナのNATO(北大西洋条約機構)加盟がロシアにとって脅威になる」というのがその言い分なのだが、西側諸国がウクライナのNATO加盟を認める可能性などほとんどなかったのだ。なぜ、今、軍事侵攻が必要だったのか? まったく合理性を欠いた暴挙としか言いようがない。
サッカー界からも早速、反応が起こっている。
UEFA(欧州サッカー連盟)は2022年6月に行われる予定のチャンピオンズリーグ決勝の開催地をサンクト・ペテルブルグからフランス・パリ郊外のスタッド・ド・フランスに変更することを決定。また、3月下旬に予定されているワールドカップ予選の欧州プレーオフでロシア、ポーランド、スウェーデン、チェコの4か国が参加する「パスB」はロシアで開催となっていたのだが、ロシア以外の3か国は「ロシア開催反対」の声明を発表した。
「ロシア開催」が取り消されるのは当然のことだろう。戦争当事国での試合開催は安全を考慮すればありえないことだし、西側各国政府やEU(欧州連合)がロシアに対して厳しい制裁措置を採っている。また、国際オリンピック委員会(IOC)もスポーツ大会のロシア開催は認めるべきでないと各国際競技連盟に対して呼びかけている。同じくプレーオフに出場するウクライナ代表の扱いを含めて、FIFAの決断に注目したい。
ちなみに、「ロシア開催反対」の声明を出した3か国はすべて北東欧に位置する国だ。かつて“共産圏”の一角としてソ連を盟主とするワルシャワ条約機構の一員だったチェコ(当時はチェコスロバキア)は1960年代に自由化を模索したが、1968年にソ連の軍事介入を受けた歴史があり、またポーランドも、軍事介入こそ逃れたものの、ソ連の政治的介入を何度も受けている。そして、スウェーデンは中世以来ロシアとの間でバルト海や北東欧の覇権を争った国だ。
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