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ガスプロム アリーナ
もはや一刻の猶予も許されない。ロシアがウクライナ東部で軍事行動に出た。ウラジーミル・プーチン大統領は「民間人に危険を及ぼすレベルの攻撃ではない」としながらも、核兵器の使用もちらつかせている。
「われわれを邪魔する者は、過去に例を見ないほどのダメージを負うだろう」
『UEFA』(ヨーロッパ・サッカー連盟)が、チャンピオンズリーグ決勝の開催地変更を検討するのは当然だ。現状を踏まえると、プーチンの生まれ故郷であるサンクトペテルブルクでは選手、サポーター、報道陣、関係者の安全を保障できない。『GAZPROM』(ロシア国営のエネルギー産業)がUEFAのメインスポンサーのひとつだったとしても、だ。
各所から「スポンサー契約を破棄せよ」とのクレームがUEFAに殺到し、ドイツの名門シャルケはユニフォームからGAZPROMのロゴを削除している。今週末から再開予定だったウクライナリーグは中止になった。
また、マンチェスター・ユナイテッドも『AEROFLOT』(ロシアの航空産業)とのスポンサー契約を解除する予定だ。同社からは年間800万ポンド(約12億4000万円)ものサポートを受けていたが、いま、ロシアの企業から金銭を受け取れるはずがない。
さらに、チェルシーのオーナーを務めるロマン・アブラモヴィッチは、比較的プーチンに近いとされているからなのか、あるいは汚職に関する証拠が発覚したのか、クラブの経営権が剥奪されるのでは、との情報も飛び交い始めている。
こうした流れも影響し、UEFAはCL決勝の開催地を変更する公算が大きい。選手に過酷なスケジュールを強いるばかりで、コンディション面に一切の配慮をしてこなかった組織だけに、今回もカネと安全を秤にかけて後者を蔑ろにするのでは、との懸念も一部にはあった。
しかし、ロシアの行動は断じて許されるべきではなく、普段は腰が重すぎるUEFAも日本時間2月25日に開催される緊急会議で、決勝の代替地を検討すると伝えられている。ロシアにまだ配慮するのなら、『NATO』(北大西洋条約機構)に非加盟のスウェーデン、オーストリアは有力候補か。
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