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長友佑都
完勝といって差し支えない。
2月1日、日本は埼玉スタジアムにサウジアラビアを迎撃。試合全体をほぼほぼコントロールし、貴重な3ポイントを獲得した。自陣でのプレーを余儀なくされる時間帯があったとはいえ、守備陣が冷や汗をかくようなシーンはほとんどなかった。森保一監督に対する風当たりも、多少は緩くなるかもしれない。
「長友佑都は限界だ」
「中山雄太を先発に」
ネガティヴな同調圧力で優越感に浸る一部のネットユーザーだけではなく、元日本代表や日本サッカーを長く取材するライターからも、森保監督の人選は疑問視されていた。
たしかに、長友は全盛期ではない。35歳になり、プレー強度が落ちた。クロスの精度にもため息が出る。1月27日の中国戦(ホーム)で、長友に代わって出場した中山がドンピシャなクロス。伊東純也のゴールをアシストしていただけに、世間が世代交代を望んだのは当然かもしれない。
しかし、長友は「批判はガソリン」と風評を全面的に受け入れ、サウジアラビア戦では “老体” に鞭を打った。アップダウンを頻繁に繰り返し、ボールサイドではからだを張る。クロスの精度は相変わらずため息まじりだったが、「絶対に勝つ」という意識は十分すぎるほど感じられた。
一方、長友の後を受けて68分から投入された中山は精彩を欠いていた。ボールコントロール、ポジショニング、パスの精度など、すべてが及第点以下だった。ワールドカップ予選の重圧か、あるいはコンディションを崩していたのか。いずれにせよ、サウジアラビア戦に限っていえば、左サイドバックの勝者は長友である。
もちろん、この一戦だけで勝負がついたわけではない。左サイドバックに限らず、各ポジションで生存競争が必要だ。板倉滉と谷口彰悟のハイパフォーマンスは、不動のセンターバックである吉田麻也と冨安健洋を刺激した。また、板倉は守備的MF、冨安は右サイドバックでも対応できる。遠藤航や田中碧、酒井宏樹もウカウカできないということだ。
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