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その後も、全日本選手権は秋から冬にかけて行われた。日本のサッカーは師範学校や旧制中学、そして旧制高等学校、大学など学校のチームがメインだった。そして、日本の学校は4月入学、3月卒業だから、シーズン終盤の秋から冬にかけて選手権大会が開かれるのは当然のことだ。
もっとも、1930年代から50年代くらいにかけては、戦争による中断もあったが、大会は5月、6月に開かれるようになった。理由はよく分からないが他の大会の日程との関係でこうなったのだろう。
それが、1963年度大会から昔のように冬の開催になった。つまり、1964年の1月に大会が開かれたのだ。この時の大会は神戸で開かれたが、1966年の1月の大会からは東京の駒沢陸上競技場が舞台となり(1964年の東京五輪で日本代表がアルゼンチンを破った試合の会場)、さらに1968年には国立競技場が会場となった。当時、「成人の日」が毎年1月15日だったので、決勝戦は1月14日か15日に行われた。そして、翌1969年から、天皇杯決勝は元日開催となったのだ。
それから半世紀。天皇杯決勝の元日開催はすっかり定着していたが、Jリーグが発足してからはその“弊害”も取り沙汰されるようになった。
つまり、Jリーグは12月の上旬に最終節が終わるので、ほとんどのチームがオフに入るのに対して、天皇杯で勝ち残っているチームはオフ入りが遅くなってしまう。決勝戦を戦ったチームは元日まで試合があるので、翌シーズンに向けた準備のキャンプが遅くなったり、選手たちの休養日が削られてしまうからだ。
また、12月にリーグ戦が終わると選手たちの来シーズンに向けた契約の交渉などがあるので(時には戦力外通告も)落ち着いた状態で天皇杯が戦えないし、外国人選手がリーグ戦終了後に帰国してしまって天皇杯に出場できないというケースもあった。
だから、「天皇杯の日程を早めてリーグ戦終了の翌週末に行うべきだ」と言われていたのだ。だが、一方で「元日開催」という伝統を守るべきだという意見も根強く、Jリーグ発足から四半世紀が経過しても、天皇杯はずっと元日に開催されてきた(2014年度と2018年度の決勝はアジアカップの準備のために12月開催だった)。
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