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サッカー フットサル コラム 2021年12月7日

家本主審を温かい拍手で送りだした選手たち。審判についての関心が高まったのは喜ばしいこと

後藤健生コラム by 後藤 健生
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たとえば、同じく日本の名レフェリーの一人である西村雄一さんが非常にクールな印象を受けるのに対して、家本さんは人懐っこい笑顔で振る舞った。それが、最後には選手やサポーターとのコミュニケーションにつながったのだろう。

ある意味で、感情を表に出しながら選手とコミュニケーションを取るラテン系の(南米の)レフェリーにも似ているのではないだろうか。

さて、そんな家本さんは、結局ワールドカップに参加することはなかった。

ただ、南アフリカ・ワールドカップ直前の2010年5月にはサッカーの聖地であるウェンブリー・スタジアムでイングランド対メキシコの試合の主審を務めている。ウェンブリーで主審をした日本人は、これまで家本さんただ一人である。

この試合は、僕もテレビ中継で観戦したが、家本主審のきびきびした動きや判定を示すジェスチュアの動きなどで好印象を持ち、この家本政明という審判員を高く評価するきっかけとなった。そうした動きの良さやジェスチュアの明確さは日本のレフェリーの最大の特徴であり、このウェンブリーでの家本さんはそのあたりをしっかりと示していた。

さて、第一線を退いた家本さんがこれからどのようなお仕事をなさるのかは知らないが、ぜひそのコミュニケーション能力や親しみやすい人柄を生かして審判員の立場を代表するコメンテーターになってほしいものだ。

審判員というのはジャッジについてコメントすることを許されていない。選手や監督は審判批判をすることがある。また、選手上がりの解説者の中にはルールをよく知らない人もいて謂れのない批判をされることもあるのだが、審判はそれに反論する機会が与えられないのだ。これは、どう考えても不公平だし、競技規則の理解を深めるためにも審判側からの意見を主張すべきだろう。

その試合を担当した審判員が直接反論をすることにはたしかに支障があるのかもしれないが、審判出身で審判の立場を代弁するようなコメンテーターがいてくれれば、大変に面白いのではないか。

そのためには、知名度も高く、紆余曲折を経て選手やサポーターからの信頼や共感を獲得することに成功した家本さんなどはまさにうってつけのような気がするのだが……

文:後藤健生

後藤 健生

後藤 健生

1952年東京生まれ。慶應義塾大学大学院博士課程修了(国際政治)。64年の東京五輪以来、サッカー観戦を続け、「テレビでCLを見るよりも、大学リーグ生観戦」をモットーに観戦試合数は3700を超えた(もちろん、CL生観戦が第一希望だが!)。74年西ドイツ大会以来、ワールドカップはすべて現地観戦。2007年より関西大学客員教授

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