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サッカー フットサル コラム 2021年12月7日

家本主審を温かい拍手で送りだした選手たち。審判についての関心が高まったのは喜ばしいこと

後藤健生コラム by 後藤 健生
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さて、家本さんと言えば、2008年のFUJI XEROX SUPER CUPの鹿島アントラーズ対サンフレッチェ広島のPK戦で鹿島のGK曽ヶ端準が3度PKをストップしたうちの2回をやり直しさせたジャッジなど物議を醸すことも多いレフェリーで、実際に複数回にわたって“出場停止”処分を受けたことがある。

確かに、当時の家本主審は感情的な印象を受けることが多かった。審判にとって最も大切なことは「誤審をしないこと」よりも「選手の信頼を得ること」なのではないかと思うが、当時の家本さんはエキセントリックな態度もあって選手からの信頼を得ることができていなかったのだ。

2009年に日本代表がワールドカップ予選でウズベキスタンに遠征した時に、ゲーム形式のトレーニングをしていた選手たちが判定を巡って言い争った時、当時の岡田武史監督が「審判が家本の時もあるぞ」といった趣旨の声をかけて記者団を驚かせたという逸話もある。

そんな家本さんがその後も長く活躍し、516試合というJリーグでの主審試合最多記録を達成できたのは、自身の感情をコントロールすることに成功したからであり、最終試合で選手やサポーターから大きな拍手をもらったのは、そうした努力を通じて多くの人々の信頼を勝ち取ったからだった。

といっても、家本さんが感情を押し殺して試合を裁いたのではもちろんない。家本さんというのは、良きも悪しきも含めて感情を表わすことが大きな特徴だ。それが、悪い方向に傾くと「感情的」と見られて信頼を勝ち取れないことになるが、逆にうまく笑顔で選手たちと接することによって選手とコミュニケーションができることもある。

そうした、家本さんの感情表出の豊かさが時には批判を浴びることにもつながった。たとえば、レッドカードを示す時に表情が豊かすぎると“カードを突き付ける”ような印象を与えるのだが、晩年は(52歳の人に「晩年」はないのだが、審判員生活の最後の頃という意味で)良い意味で感情を示すことで選手との共感を保ちながら試合をコントロールしたのだ。

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