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9月と10月、11月のいずれもオーストラリアの“初戦”(木曜日の試合)はすべてホームゲームだった。そして、9月の中国戦、10月のオマーン戦はオーストラリアは新型コロナウイルス感染症の影響でカタールのドーハで戦った。
オーストラリアも日本と同じように選手の大半がヨーロッパのクラブでプレーしている。ヨーロッパから中東のカタールまでは飛行時間も5時間ほど。時差も夏時間のヨーロッパとはわずか1時間しかないのだ。そして、ドーハで1試合戦った後、オーストラリアは9月にはベトナムのハノイ、10月には日本の埼玉スタジアムまで移動があったが、中東からの移動はヨーロッパから直接移動するよりだいぶ楽になる。
ところが、オーストラリアは11月の“初戦”を本来のホームであるシドニーで戦ったのだ。
ヨーロッパから見れば、シドニーはまさに地球の裏側。時差は10時間もある。ヨーロッパから日本までの移動よりもさらに過酷な条件になるのだ。つまり、オーストラリアの選手たちにとっては、ホームゲームこそが最も厳しい条件になる。
11月の試合では、オーストラリアの選手たちはヨーロッパから本国のオーストラリアまで移動して、そこでサウジアラビアと戦い、その後UAEのシャルージャまで移動して中国と戦ったのだ。
オーストラリアには「距離の暴虐」という言葉がある。本国であるイギリスからの距離の遠さで苦労してきた歴史を表す言葉だ。11月のオーストラリアは、まさにこの「距離の暴虐」を味わったわけだ。
一方、日本は9月と11月は木曜日の“初戦が”長距離移動直後という悪条件で戦うことになった。とくに、11月のハノイでの試合では移動時のトラブルも重なったため、全員がそろってのトレーニングを1回行っただけで試合に臨まざるを得なかったのだ。
最終予選で戦う日本代表は、移動の負担という意味では「ハンディキャップ戦」を戦っていたことになる。
これほど大きな移動の負担がある中で戦って、最低限の勝点を積み重ねてきたことは(初戦での“大失態”は別として)高く評価してもいい。
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