人気ランキング

J SPORTS IDを登録すれば、
すべての記事が読み放題

J SPORTS IDの登録(無料)はこちら

メルマガ

お好きなジャンルのコラムや
ニュース、番組情報をお届け!

メルマガ一覧へ

コラム&ブログ一覧

サッカー フットサル コラム 2021年11月12日

辛くもベトナム戦で勝点3をゲット。“初戦”の難しさを再認識させる最終予選の戦い

後藤健生コラム by 後藤 健生
  • Line

これは、大変なスケジュールとなる。オーストラリアはヨーロッパから見たらまさに地球の裏側。日本までの移動より、さらに長距離移動となる。時差が10時間で、夏のオーストラリアの暑さも冬のヨーロッパから移動する選手たちにとっては大きな負担となることだろう(もっとも、オーストラリア代表も多くの選手がヨーロッパからの移動となるので、条件は同じなのだが……)。

いずれにしても、“初戦”問題は4年後の予選でも、8年後の予選でも日本代表にとっては大きな課題であり続けるはずだ。ヨーロッパのクラブでプレーする日本人選手は、これからも増えることはあれ、減ることはない。遠い将来、Jリーグがヨーロッパの3大リーグ並みの存在になって多くの代表選手が国内でプレーするようになるとか、ヨーロッパから日本まで数時間で移動できる極超音速機が実用化されない限り、“初戦”問題は永久につきまとう。

あるいは、現在のように年に数度の代表ウィークを設けるのではなく、代表活動を2か月間限定にするといった提案もあるが、これが実現すれば“初戦”問題は解決できるかもしれない。

とにかく、現状では日本サッカー協会として次の予選に向けて「“初戦”問題をどうするか?」を考えておかなければならない。

今回のベトナム戦で森保監督が国内組中心での戦いに踏み切れなかったのは、新メンバーで戦うことのリスクがあったからだ。

それなら、国内組だけの代表チームを本来のチームとは別に組織しておき、国内組だけの代表合宿を繰り返して“常備軍”的なチームを準備しておくことはできないだろうか? そうすれば、コンビネーションを心配することなく、“初戦”には国内組代表を送り込める。

今回、途中ロシアで足止めされた海外組は、大幅な遅れはあったものの、無事にベトナムに到着し、1日だけでも全体練習ができた。だが、将来、同じような状況で、海外組が到着できないといった状況だってあり得ないことではない(たとえば、経由地でクーデターとか戦争が起こった場合である)。そんな、いざという時に国内組の“常備軍”を準備しておけば安心できる。

あるいは、たとえば川崎フロンターレのような国内最強クラブをそのまま送り込むという手段もある。今回も、川崎関係の選手がチームの3分の1に迫っているが、ベトナム戦には川崎に数人の選手を補強したチームを送り込むことができれば、十分に戦えていたろう。

ベトナム戦でも、たとえば右サイドでサイドバックの山根視来とMFの田中碧が見事なコンビネーションを見せた場面があった。あそこで、右サイドハーフに伊東ではなく家長昭博がいたら、3人のコンビネーションだけでベトナムの守備網を切り裂くことができたかもしれない……。

とにかく、これからも“初戦”問題は日本代表を悩ませ続けることであろう。

文:後藤健生

後藤 健生

後藤 健生

1952年東京生まれ。慶應義塾大学大学院博士課程修了(国際政治)。64年の東京五輪以来、サッカー観戦を続け、「テレビでCLを見るよりも、大学リーグ生観戦」をモットーに観戦試合数は3700を超えた(もちろん、CL生観戦が第一希望だが!)。74年西ドイツ大会以来、ワールドカップはすべて現地観戦。2007年より関西大学客員教授

  • Line

関連タグ

あわせて読みたい

J SPORTS IDを登録すれば、
すべての記事が読み放題

J SPORTS IDの登録(無料)はこちら

ジャンル一覧

J SPORTSで
サッカー フットサルを応援しよう!

サッカー フットサルの放送・配信ページへ