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今シーズン、川崎が公式戦で敗れたのは、これまで8月26日のJ1第26節、アビスパ福岡との試合(0対1)だけなのだ。
川崎といえば、「3点取って勝つ」攻撃的なサッカーのイメージが強い。実際、4月から5月頃はそんな試合が多かった。たまに1対0という試合があると、「今日は1点しか入らなかった」と物足りない気持ちになったものである。
しかし、もちろん長いシーズンの中では好不調の波がある。そうした“波”が襲ってきたのが8月から9月にかけてなのだが、そんな時期でも川崎は1つしか負けなかったのだ。負けないチーム……。それも、今シーズンの強い川崎の強さの一面なのである。
第34節で優勝を決めた後のフラッシュインタビューで、鬼木監督は「ホッとした」と安堵の笑顔を浮かべたが、同時に「勝って終わりたかった」と苦笑いも見せた。
たしかに、せっかく1万に以上の観客が入った快晴の等々力での優勝決定という最高の舞台だったのだから、すっきりと勝って終わりたかったことだろうが、ある意味で「負けないチーム」という今シーズンの川崎らしさを示した終わり方だったような気もする。
今シーズン、リカルド・ロドリゲス監督が就任してチーム強化が進み、来シーズンは優勝候補の一角に名乗りを上げようかという浦和レッズを相手に、川崎はこの日も優勢に試合を進めた。何よりも、川崎の守備意識の高さが素晴らしかった。
開始直後の10分ほどは、浦和が川崎のパスをカットして素早く前線にロングパスを送って攻めるという狙いが効果的だったが、川崎が前線からのプレスを強化すると、次第に浦和は川崎のゴール前までボールを運ぶこともできなくなってしまった。
もちろん、この時間帯に中央の守備を固めて川崎に1点しか許さなかったことが、後半の同点ゴールにつながったのだが、前半の戦いを通じて浦和としてはチームの完成度の違いを痛感したことだろう。
浦和のキックオフで試合が始まって、浦和はボールをいったん戻してDFの岩波拓也が前線にフィードしようとした。だが、レアンドロ・ダミアンが早速前線で体を張ってこのボールをブロックしたのだ。その後も、レアンドロ・ダミアンやマルシーニョが浦和のGK西川周作に対して再三プレスをかけ、そのため西川や浦和のDFからのパスが乱れて川崎ボールになってしまう場面が何度もあった。
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