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これだけ粘ることができたのはブラジル出身のゴレイロ(GK)、ピレス・イゴールの神懸かったというべき再三のビッグセーブと、同じくブラジル生まれのフィクソ(DF)、アルトゥール・オリヴェイラの的確な守備能力によるものが大きかったが、同時にチーム全員の献身的な守備も特筆すべきものだった。個人技に勝るブラジル選手に対して、けっして臆病になることなく、前線からプレスをかけ、シュート態勢に入った相手に体を寄せ続けることでブラジルに自由にプレーをさせなかったのだ。
ボール・ポゼッションで上回り、シュート数でも日本の倍をはるかに超えたブラジルだったが、日本の激しいプレッシングの前に思ったようにパスを回すことができず、苛立っていたのは劣勢の日本ではなく、ボールを持って攻めているはずのブラジルの選手たちだった。
チームとして組織が整った中での勇気ある前からのプレスと豊富な運動量に裏打ちされた分厚い守備は、世界のトップにも十分に通用したのだ。
しかも、日本の“善戦”は今大会これが初めてではない。グループリーグの第2戦でFIFAランキング1位のスペインと対戦した時も、日本のハイプレスはスペインのパスを分断することに成功していたのだ。
ブルーノ・ガルシア監督率いる日本代表が、「大善戦」と言っていい素晴らしパフォーマンスを発揮したことは確かだった。
前回2016年ののフットサル・ワールドカップ・コロンビア大会にはアジア予選で敗退して出場することすらできなかった日本にとって、その実力を見せつけた大会だった。
しかし、今大会を通じて日本が大きな課題を突き付けられたことも事実だ。なにしろ、日本はリトアニア大会で4試合を戦ったが、結果は1勝3敗だったのだ。
もちろん、「3敗」の対戦相手にはスペインやブラジルという世界のトップが含まれていた。だが、グループリーグ第3戦ではパラグアイを相手にほぼ互角の戦いを繰り広げたものの1対2と競り負け、その結果、日本はグループE3位に終わったのだ。24か国参加のこの大会、各組3位の中の上位4チームが決勝トーナメントに進出するが、日本は3位となった6チームの中で4番目の成績だった。まさに、間一髪でグループリーグ敗退を免れたという結果だった。
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