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サッカー フットサル コラム 2021年8月2日

日本選手団は好調のようではあるが・・・。「東京2020」とは何のための大会なのだろうか?

後藤健生コラム by 後藤 健生
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だが、全体として日本はあの開会式を通じてどのようなコンセプトやメッセージを伝えたかったのか、僕にはよく理解できなかった。まして、世界各地でテレビ画面を通じて視聴している、文化的、社会的背景の異なる人々にそれが伝わっていたとは思えない。

部分部分はよく出来たパフォーマンスではあったのに、全体を通じてのコンセプトの希薄さ……。何か、現在の日本という国を象徴していたかのようにも思えてくる。

そういえば、メイン・スタジアムとなった新国立競技場についても、同じようなことが言える。

新国立競技場は良くできたスタジアムだ。4面が同じ高さのスタジアムに囲まれ、またスタンドの傾斜もあって、競技に集中できるし、スタンドの傾斜とトラックからスタンド最前列までの距離が短いため、陸上競技場としてはサッカーの試合も見やすい設計だ。

木材をふんだんに使った屋根の構造は軽やかな印象を与えるし、入退場時の導線のスムースさも確保されている。また、自然の風を取り込むための工夫などもあり、美しいスタジアムだとは思う。

だが、1500億円をかけて建設したこのスタジアムをこれからどのように活用していくのかという後利用計画がまったくないのだ。

そもそも、この新スタジアムを建設することになったのは2019年のラグビー・ワールドカップのためだった。オリンピック招致成功は、あのザハ・ハディド案による建設計画が決まった後だったのだ。

ところが、ザハ・ハディド案は建設費が3000億円を超えることが明らかになって白紙撤回となり、設計をやり直すことになったため、ラグビー・ワールドカップには完成が間に合わなくなってしまい、決勝戦は横浜国際総合競技場(日産スタジアム)で行われた。

そして、スタジアムにとっての最初のビッグイベントが東京オリンピックの開会式だったのだが、大会は無観客開催となってしまい、6万8000人収容の巨大スタンドは活用されなかったのだ。

陸上競技場としては大きすぎ(しかも、サブトラックがない)、サッカーやラグビーに使うには陸上用トラックがあるためにスタンドからピッチまでの距離が遠すぎる。東京近郊にさまざまなスタジアムが存在する現在では、オリンピック・パラリンピック終了後もこのスタジアムが活用される機会は限られたものとなってしまうだろう。

優れた性能の製品を開発できても、コンセプト自体の方向性が違っていたために失敗に終わってしまう。日本はやはりリーダー不在の“ガラパゴス国家”なのであろうか。

文:後藤健生

後藤 健生

後藤 健生

1952年東京生まれ。慶應義塾大学大学院博士課程修了(国際政治)。64年の東京五輪以来、サッカー観戦を続け、「テレビでCLを見るよりも、大学リーグ生観戦」をモットーに観戦試合数は3700を超えた(もちろん、CL生観戦が第一希望だが!)。74年西ドイツ大会以来、ワールドカップはすべて現地観戦。2007年より関西大学客員教授

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