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つまり、経験の浅い選手たちのテストやラージグループ作りの段階は(森保監督にとっては)すでに終わっているのだ。
今は、アジアカップ直前にメンバーを固定することによってチームの完成度を上げていったのと同じように、アジア最終予選に向けてチーム作りを進めたい。だから、ミャンマーのようは実力差の大きい相手に対してもベストメンバーを組んで戦ったのだろう。しかも、ミャンマー戦ではオリンピック世代の選手をほとんど起用しなかった。
もちろん、東京オリンピックが終わればU-24代表で結果を残した選手たちがA代表に合流して、積極的に起用されることだろう。たとえば攻撃陣では堂安と久保建英が現在の主力メンバーに挑む構図になるはずだ。
もちろん、これから急成長を遂げる選手に対しては門戸は開かれているだろうが、強豪相手の最終予選ではそれほど多くの選手を試すことはできないだろう。
次にメンバーのシャッフルが本格的に行われるのは最終予選突破、本大会進出決定の後になるだろう。つまり、現在はアジア最終予選に向けてメンバーを固定している段階であり、予選突破が確実になれば再び「ラージグループ」作りの作業が行われ、そして、2022年の秋に入ってからチームの完成度を上げる作業が行われるのだろう。
6月のシリーズではA代表には攻撃の主力メンバーが顔をそろえた。一方で、守備の中心選手たちはA代表を離脱する。つまり、A代表でも中心選手となっている冨安はもちろん、日本代表の守備を背負って立つ吉田麻也、酒井宏樹、遠藤航もオーバーエイジとしてU−24で戦うのだ。
攻撃陣はA代表の4試合を使って完成度を上げる。そして、守備陣についてはU−24代表にA代表の主力組を加えて完成度を上げ、東京オリンピックでメキシコやフランスといったハイレベルな相手と戦うことによって強化を計る。タジキスタンやキルギス相手に戦うよりも、守備強化のためには東京オリンピックの方が役に立つからだ。
6月シリーズの見どころは、A代表では主力が揃った攻撃陣。U−24代表では、こちらもA代表の主力がそろった守備陣ということになるのだろう。
文:後藤健生
後藤 健生
1952年東京生まれ。慶應義塾大学大学院博士課程修了(国際政治)。64年の東京五輪以来、サッカー観戦を続け、「テレビでCLを見るよりも、大学リーグ生観戦」をモットーに観戦試合数は3700を超えた(もちろん、CL生観戦が第一希望だが!)。74年西ドイツ大会以来、ワールドカップはすべて現地観戦。2007年より関西大学客員教授
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