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まさに、今シーズンの川崎らしいアグレッシブに得点を狙い続けた試合だった。
川崎の攻撃力についてはこれまでも数多く語られてきた。だが、この試合で、僕は川崎の守備のすばらしさについても改めて驚かされた。「29試合で79得点」というのも、もちろん記録的なゴール数なのだが、同時に「25」という失点数もリーグ最少なのだ。
昨年優勝した横浜F・マリノスはたしかに“超攻撃的”で得点数は多かったが、同時に失点も多いチームだった。だが、川崎は守備でもJ1リーグ最強クラスなのだ。記録的な勝点を積み重ねたのも当然のことだった。
優勝決定の試合でも、強豪G大阪の攻撃を完全に封じ込めた。G大阪は川崎陣内にボールを持ち込むことすら難しくなり、後半の立ち上がりには中盤を省略してトップの宇佐美貴史を狙うロングボールを使ってきた。
よく「ボールの取りどころ」という言葉が使われる。高い位置からプレッシャーをかけて相手のゴールに近いところでボールを奪うのか(それができれば理想だが、90分間続けることは不可能)、自陣深くに引いて守るのか、それとも中盤で相手のパスコースを規制してたとえば外に持ち出させてからボールを奪いに行くのか……。そうした守備の狙いどころのことだ。時間帯や相手の出方に応じて変化させていく必要も当然ある。そして、それをチームとして実現するためには全選手の意識を統一しておくことが重要だ。
だが、言うは易く行うは難し。代表チームの試合でも、なかなかそうした組織的な守備は実現しない。
それを、川崎フロンターレはいとも容易く(というように見える)こなしてしまう。時間によって前から激しくプレッシャーをかけて相手GKのミスを誘うこともあれば、中盤で人数をかけて相手のボール保持者を囲い込んでボールを奪うこともある。そして、最終的には最終ラインの頑張りでゴールを割らせない(最高のセンターバックの一人である谷口彰悟が出場停止だったが、サイドバックもセンターバックもできる車屋紳太郎が完全に穴を埋めた)。
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