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各チームとも、映像などで分析はするだろうが、選手たちはピッチ上で対戦した経験がない。ピッチ上での対戦経験があるとなしでは大きな違いだ。そもそも、中国や韓国のチームがJリーグのチームほど戦術的に緻密な試合をするとは思えない。
2020年の2月に行われたグループステージの第1、2節では日本の3クラブは合計で6試合戦って5勝1分0敗という好成績を収めた。
とくに横浜FMはアウェーで全北現代(韓国)、ホームでシドニーFC(オーストラリア)にどちらも完勝した。スコアが2対1だった全北戦も内容は圧倒していたし、シドニーFCに至っては横浜FMの変幻自在なポジションチェンジに着いていくことすらできず、横浜FMが4対0で圧勝した。
さて、すでに2試合を終えて首位に立っている日本のクラブはグループリーグの残りは4試合だ。これに対して、中国のクラブはいずれもまだ1試合も戦っておらず(2月当時、世界で最も新型コロナ感染が拡大していたのは中国だった)、日本の3クラブは11月24日と25日の試合が初戦となるのに対して、対戦相手の中国のクラブ(FC東京は上海申花、ヴィッセル神戸は広州恒大、横浜FMは上海上港とそれぞれ対戦)にとっては、それが中2日での3連戦目となるのだ。
日本勢はコンディション的に有利な立場に立って戦えるし、対戦相手の中国クラブの試合を現地で偵察してから対戦できるのだ。例年でも「第3節、第4節はグループリーグで最も大事」と言われているが、その第3節と第4節で“最大の敵”とも言える中国勢と有利な状況で戦えるのだ。この2試合で勝点4を上積みできれば、グループリーグ突破に王手がかかる。そして、もし最終節を待たずに「通過」を決められれば、最終節では主力選手を休ませることもできるのだ。
11月から12月にかけての冬場のカタールは気候的にも最高の環境だ。ピッチ状態も万全のはず。移動や気候の変化、そしてピッチコンディションの良し悪しに悩まされることなく実力を発揮できれば、日本のクラブによる上位独占も夢ではなかろう。3クラブの健闘に期待したい。
文:後藤健生
後藤 健生
1952年東京生まれ。慶應義塾大学大学院博士課程修了(国際政治)。64年の東京五輪以来、サッカー観戦を続け、「テレビでCLを見るよりも、大学リーグ生観戦」をモットーに観戦試合数は3700を超えた(もちろん、CL生観戦が第一希望だが!)。74年西ドイツ大会以来、ワールドカップはすべて現地観戦。2007年より関西大学客員教授
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