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良いタイミングで、良い態勢でボールを受けることさえできれば、日本の前線の選手の技術も生きる。遠藤からの正確なボールを供給された久保が、一瞬でターンして南野が走り込むペナルティーエリア内のスペースにパスを送り込んでPKを獲得して先制することに成功した。
その後は、相手が前がかりにならざるをえないというお誂え向きの状況で浅野拓磨がトップに入ってスピードでDFラインの背後をかきまわし、鎌田大地が正確なパスを供給してチャンスの山を築いた。
一言でいえば、「遠藤航がその真価を発揮した試合」ということになろうか。
ただ、最初に指摘したような守備のミスや攻撃の連動性のなさ、前半のうちに選手の判断で試合の進め方を変えることができなかった点など、とても褒められたゲームでないのは確かだろう。
しかし、これはある意味で仕方のないことでもあった。
10月のオランダ・ユトレヒトでの2試合に出場機会が与えられなかった板倉滉と三好。そして、コートジボワール戦で決勝ゴールを決めたもののプレー時間は追加タイムも含めて5分ほどだった植田直通といった選手を出場させ、しかも、従来の4バックではなく3バックでスタートするといったように、パナマ戦はいくつもの新しい試みにトライした試合だったからだ。
一方で、10月にその好調ぶりを印象付けていた遠藤や伊東純也はベンチスタートだった(DFの吉田、MFの柴崎、FWの南野の3人はこの試合でも起用されたが、これは「この3人がチームの中核である」という森保一監督のメッセージとして受け止めるべきだろう)。
これでは、コンビネーションが機能するはずもなく、苦戦したのは当然のことだ。
この試合は、「結果」が重要な試合ではない。何も新しいことにトライせずに、ベストメンバーを並べて完勝してみたところで得るものはまったくない。
そして、10月に対戦したカメルーンとコートジボワール、そして11月17日に対戦するメキシコと比較すれば、パナマ戦こそ新しい選手、新しいシステムのテストをすべき試合だったのだ。森保監督の判断は全面的に支持したい。
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