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サッカー フットサル コラム 2020年9月11日

~市立船橋高校~イチフナの5番。石田侑資はエモーショナルである

土屋雅史コラム by 土屋 雅史
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市立船橋高校:石田侑資

勝てば無邪気に笑い、負ければ悔しさのあまり涙を流す。感情の振れ幅が大きければ大きいほど、見ている者の感情も、より揺り動かされる。「感情的になっちゃう時もあるんですけど、声を出す部分が凄く自信のある所なので、そこはこれからもやっていきたいですね」。市立船橋高校のキャプテンを務める石田侑資は、実にエモーショナルな選手である。

異質なプロフィールが目を引く。徳島県出身。前所属は徳島ヴォルティスジュニアユース。「自分は本当にプロになりたいですし、日本一になるために、日本代表になるために、イチフナに来たんです」。プロ。日本一。日本代表。いくつもの夢を実現するため、単身で千葉の名門へ飛び込んだ。

1年時からAチームの公式戦に出場し、昨年はディフェンスリーダーとして、チームを後方から支え続けた。とりわけ彼の真価が発揮されるのは、劣勢に陥った時だ。何度となく攻め込まれても、何度となく失点を重ねても、折れることなく味方を鼓舞し続けられる。相手が先輩であろうと、後輩であろうと、その姿勢はいつだって変わらない。

ゆえに仲間からの信頼も厚い。昨年度の高校選手権千葉県予選決勝。2-1でリードしている状況で、普段の石田からは考えられないミスを犯し、同点に追い付かれてしまう。そんな彼にチームメイトたちが次々と励ましの声を掛けて行く。「こういう舞台でああいうミスをしてしまった自分に、味方が凄く声を掛けてくれて、そこで自分も下を向かずに、心が折れずにできました」。

その後、チームが再び勝ち越すと、最後まで体を張り続ける。永遠のライバルとも言うべき流通経済大柏高校を下し、全国大会出場を決めた瞬間。石田は笑顔で泣いていた。感情の振れ幅が大きければ大きいほど、見ている者の感情も、より揺り動かされる。実にエモーショナルな選手である。

市立船橋の5番は守備の中心選手に託される番号だ。羽田憲司。中澤聡太。大久保裕樹。増嶋竜也。渡辺広大。磐瀬剛。杉岡大暉。多くの偉大な先輩たちが纏った番号を、今年は背負うことになる。普通のプレーでは許されない。周囲が納得するプレーを常にし続けることが、この伝統を受け継ぐということになる。

決してハードルは低くない。だが、石田ならきっとそのプレッシャーも自らの力に変えて、笑いながら、泣きながら、チームと一緒に成長していくのだろう。

市立船橋高校。5番。石田侑資。イチフナを魂で牽引する男に是非ご注目あれ。

文 土屋雅史(J SPORTS)

土屋 雅史

土屋 雅史

1979年生まれ。群馬県出身。群馬県立高崎高校3年時には全国総体でベスト8に入り、大会優秀選手に選出。早稲田大学法学部を卒業後、2003年に株式会社ジェイ・スカイ・スポーツ(現ジェイ・スポーツ)へ入社し、「Foot!」ディレクターやJリーグ中継プロデューサーを歴任。2021年からフリーランスとして活動中。

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