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FC東京U-18:角昂志郎
サッカーと共に生きる日々がスタートしてから、初めての状況を味わったことで、改めて感じたことがある。「一度サッカーがない生活を体感したことで、サッカーのありがたみも知ったし、今は普通に友達とボールを蹴っているだけでも『サッカーって楽しいな』って心の底から思いますね」。生粋のサッカー小僧。角昂志郎の止まっていた時計が、再び動き出す。
昨年の前半戦。角はケガに悩まされていた。10月開催のFIFA U-17ワールドカップでメンバーに入ることを最大の目標に掲げ、アピールを誓っていたものの、トレーニングすることもままならない。「いつ治るかわからないケガで、正直サッカーをやりたくてもやれない気持ちというのが、メッチャ苦しかったです」。先の見えない状況に焦りばかりが募っていく。
徐々にコンディションを復調させつつ、何とかメンバー入りを果たした世界の舞台は、何より“悔しさ”という感情を17歳に突き付ける。初戦は出場機会がなく、2戦目は残り3分での交替出場。3戦目でようやくスタメンに指名されながら、結果的に敗退を強いられたラウンド16では、ピッチに立つことは叶わなかった。
「ワールドカップに良い思い出はあまりないですね」。思い描いていたような活躍ができなかった経験は、意識の部分に変化をもたらす。「そこで自分の立ち位置というのを改めて感じて、『もっと努力しなきゃな』と感じて日本に帰ってきて、練習前に自主練するようになりましたし、意識は変わりました」。その努力と変化をプレーで証明する機会が、ようやくこの9月から巡ってくる。
ちなみに、好きな教科は倫理。「ある1つのものに対して、いろいろな角度から見るんですよ。『万物の根源は水である』とか『世界は水でできている』とか、いろいろな考え方があって、自分が想像していなかったような考え方を聞くと、『なるほど。サッカーでもそういうプレーがあるかもな』という発見があるので、面白い教科だなとは思います」。きっちりと思考した上で言葉を選び取っていく、彼の普段の会話スタイルと通じる所もあって、興味深い。
残された時間は4か月あまり。「正直、今までは『先輩に付いていく』感じで、点を決めることも少なかったですし、昨年は数字で表現できなかった年だったので、今年は『ゴールを獲りたい』『チームを勝たせたい』という想いが強くなってきました」。託された番号の重みも感じつつ、結果の責任を背負う覚悟は揺るぎない。
FC東京U-18。10番。角昂志郎。青赤のファンタジスタに是非ご注目あれ。
文 土屋雅史(J SPORTS)
土屋 雅史
Jリーグ中継担当プロディーサーを経て、デイリーサッカーニュース Foot!を担当。
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