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一つは秋春制の暫定的な導入だ。過密日程を避けるために、シーズン閉幕を遅らせることによって試合日程に余裕をもたせるためだ。
もし、秋春制に変更ができないなら、試合数を減らすために大会形式を変えることも提案した。たとえば、東日本と西日本に分けて9チームずつでリーグ戦を行って、プレーオフで最終順位を決めることもできるし、今シーズンはホーム&アウェーの2回戦総当たりをやめて1回戦総当たりにすれば、試合数は半分で済む。
プロ野球はもともと各チーム143試合を行う予定だったが、今シーズンは各チーム120試合に試合数を減らす決定をしている(ポストシーズンのクライマックスシリーズも中止または方式変更の予定)。アメリカの大リーグ(MLB)は、選手会との交渉が難航していることもあって、76試合制という話まで出ている。
だが、6月末に再開するJリーグは12月20日に終了するという。普段のシーズンより2週間伸びただけだ。7月4日に開幕するJ1リーグは12月までに25週間で33試合を消化しなければならない。J2リーグは26週間で41試合だ。さらに、YBCルヴァンカップもある。大会形式を変更したといっても、グループリーグとトーナメントで優勝するためには、5試合戦う必要があり、いずれはAFCチャンピオンズリーグも再開されることだろう。
つまり、1週間おきに連戦があるようなシーズンになるのだ。暑さの厳しい時期に連戦を避けるとすれば、その後は毎週ウィークデーに試合をしなければならなくなる。
Jリーグが、どうしてこんなに無理をしてまでも、通常通り34節(J1の場合)開催にこだわるのか……。
これまで新型コロナウイルス感染対策でJリーグは素晴らしい対応をしてくれていた。僕はJリーグの姿勢を高く評価していた。だが、過密日程の強行という決定には疑問を感じざるをえない。
文:後藤健生
後藤 健生
1952年東京生まれ。慶應義塾大学大学院博士課程修了(国際政治)。64年の東京五輪以来、サッカー観戦を続け、「テレビでCLを見るよりも、大学リーグ生観戦」をモットーに観戦試合数は3700を超えた(もちろん、CL生観戦が第一希望だが!)。74年西ドイツ大会以来、ワールドカップはすべて現地観戦。2007年より関西大学客員教授
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