幾多の困難を乗り越えてきた彼らは三十路の青春を謳歌する

強面のDFラインと異なり、中盤にはベビーフェイスを、人気、知名度、実力ともに申し分ない3人を揃えてみた。

いずれ劣らぬ技巧とアイデアの持ち主で、ゲーム全体をいとも簡単にコントロールする。彼らのプレーを見るたびに、「フットボールはからだの大きさじゃなんだよな」と痛感する。3選手とも基本スキルの習得レヴェルが高いため、小兵のハンデは一切ない。

さて、ここからはロッカールームを想像していただきたい。

C・ロナウドが鏡を見ながら髪の毛をスタイリングしている。5分、10分、30分……。陽気なD・アウヴェスがからかいはじめた。イニエスタとシルバが穏やかな笑顔で見守っている。そのときだった。

「くだらねえことに時間かけてんじゃねえぞ、小僧！」
「ゴ、ゴメンナサイ。もう終わりますから、許してください」

すごむズラタン、平身低頭のC・ロナウド。「ふたりとも落ち着いて」と仲を取り持つイニエスタ。オーバー34のロッカールームは、こんな感じかな？

ちなみに一年後、このチームにはリオネル・メッシ、ルイス・スアレス（ともにバルセロナ）、そしてパリSGのエディンソン・カバーニが加入する予定だ。彼らの引退もそう遠くないということか。いや、幾多の困難を乗り越えてきた歴戦の勇士は、まだまだこの先〈三十路の青春〉を謳歌するに違いない。

文：粕谷秀樹