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Jリーグも、これ以上再開が遅れるようであれば、「秋春制」への変更を検討してみてはどうだろうか?
最近、学校の「9月入学」が取りざたされている。学校が再開された後、授業の遅れを取り戻すためには土曜日に授業を行ったり、夏休みも短縮したりする必要が出てくる。だが、猛暑の中で過密スケジュールになったら、学生生徒の健康を害する危険もある。それなら、「9月入学」(=7月卒業)に変更すれば余裕のある授業ができるというわけだ。しかも、「9月入学」は国際標準なので、日本人学生の留学や外国人留学生の受け入れのためにも都合がいいのだ。
Jリーグの「秋春制」移行も、まさにこの「9月入学」と同様のメリットがある(ただし、「9月入学」も「秋春制」も、どちらも難点が多いし、反対論も根強い)。
さて、Jリーグの暫定的「秋春制」はどのようなスケジュールになるのだろうか?
まず、7月に開幕(再開)した後、夏場は連戦を避けて1週間1試合のペースで試合を行い、冬場の「第X派」襲来に備えて秋口に試合を消化し、そのまま2021年春までのシーズンとする。そして、2021/22年シーズンは夏場の猛暑を避けて、延期された東京オリンピック終了後の8月下旬か9月上旬に開幕する。
そして、もし新型コロナウイルス感染の収束後には「春秋制」に戻すのであれば、2021/22年シーズンは余裕をもって日程を消化し、ワールドカップ前の10月初めに終了。次の2023年から元の「春秋制」に戻せばいい。
いずれにしても、この2シーズンはかなり余裕を持った日程が組める。感染の波が押し寄せれば、再び中断する必要が生じるだろうし、また、延期になっているワールドカップ予選のため、代表チームの活動のためにリーグ戦が中断されることも考えれば、この間は余裕を持っておいた方がいい。
また、冬場のと豪雪地域をどうするかという点は、いずれのシーズンも、現在のシーズンオフとほぼ同じ、12月下旬から2か月程度の長い「ウィンター・ブレーク」を置けばいい。そして、2シーズンにわたって「秋春制」を経験すれば、「秋春制」の長所も短所も明確になるだろうから、その後で将来のシーズン制についてもっと具体的に議論できるようになるだろう。
文:後藤健生
後藤 健生
1952年東京生まれ。慶應義塾大学大学院博士課程修了(国際政治)。64年の東京五輪以来、サッカー観戦を続け、「テレビでCLを見るよりも、大学リーグ生観戦」をモットーに観戦試合数は3700を超えた(もちろん、CL生観戦が第一希望だが!)。74年西ドイツ大会以来、ワールドカップはすべて現地観戦。2007年より関西大学客員教授
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