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サッカー フットサル コラム 2020年5月8日

あのときファーガソンはC・ロナウドとベイルの獲得を!?

粕谷秀樹のOWN GOAL,FINE GOAL by 粕谷 秀樹
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少なくともデイビッド・モイーズが出る幕は絶対になかった。この男、「ルーニーはあくまでもファンペルシの控え」と暴言を吐き、人間関係をこじらせた。マルワヌ・フェライニにユナイテッドでプレーする機会を与え、多くのサポーターのヒンシュクを買った。

また、エブラによると、ファーガソンは入団1シーズン目のファンペルシと香川に、何度も何度も謝っていたという。「ユナイテッドでより磨きをかけるぞ」と意気込んでいた両選手にとって、頼れる指揮官の退任は大きすぎるショックだったからだ。

ファーガソンの事情が許し、ユナイテッドの監督でありつづければ、とくに香川のフットボール人生は大きく開けていた可能性が非常に大きい。スペインの2部で燻っているはずがない。いまごろ、押しも押されもせぬ大スターになっていただろう。ベイルもゴルフよりフットボールを大切にしていたはずだ。

ファーガソンの退任から7年、ユナイテッドはメインステージから振り落とされようとしている。モイーズ、ルイ・ファンハール、ジョゼ・モウリーニョといった後任は混迷の輪を広げるばかりで、オーレ・グンナー・スールシャールはロッカールームを掌握できていない。

いや、だれが監督に就任しても、それがユルゲン・クロップやジョゼップ・グアルディオラであっても、ファーガソンの幻影には苦しめられる。92-93シーズンのプレミアリーグ発足以降、退任するまでの21シーズンで13度の優勝、チャンピオンズリーグは二度の戴冠。彼を上まわる監督なんて、そう簡単には現れそうもない。

文:粕谷秀樹

粕谷 秀樹

ワールドサッカーダイジェスト初代編集長。 ヨーロッパ、特にイングランド・フットボールに精通し、WWEもこよなく愛するスポーツジャーナリスト。

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