人気ランキング

J SPORTS IDを登録すれば、
すべての記事が読み放題

J SPORTS IDの登録(無料)はこちら

メルマガ

お好きなジャンルのコラムや
ニュース、番組情報をお届け!

メルマガ一覧へ

コラム&ブログ一覧

サッカー フットサル コラム 2020年4月7日

1986年メキシコ大会の準々決勝、ブラジル対フランス戦。と、1990年イタリア大会のラウンド16のブラジル対アルゼンチン戦。

後藤健生コラム by 後藤 健生
  • Line

僕が気に入ったのは、その試合の選択である。普通に考えたら、各大会の決勝戦ということになるだろうが、FIFAの選択はそうではなかった(サイトの説明によると視聴者投票によるものだそうだ)。

そして、過去のワールドカップの中でも僕が最も気に入っている2つの試合がちゃんと選ばれていたのが嬉しかった。

ご承知かとも思うが、僕は1974年の西ドイツ大会以来12回のワールドカップを現地で観戦している。ちゃんと数えたわけではないが、おそらく試合数で言えば200試合くらいを見ているわけだ。

その中で、僕が気に入っている2つの試合というのは、1986年メキシコ大会の準々決勝、ブラジル対フランス戦。そして、もう一つは1990年イタリア大会のラウンド16のブラジル対アルゼンチン戦である。

まず、1990年の試合だが、前回優勝のアルゼンチンはこの大会の開幕戦でいきなりカメルーンに敗れて、その後なんとかグループ3位で決勝トーナメント進出を決めたのだ。一方のブラジルはスウェーデン、コスタリカ、スコットランドと対戦相手に恵まれたこともあって3戦全勝で堂々の1位通過を果たしたのだが、そこで待ち構えていたのが3位通過のアルゼンチンだったというわけだ。

試合は開始早々からブラジルが圧倒。何度もアルゼンチンのゴールに襲い掛かる。だが、正GKネリー・プンピードの負傷のおかげで出場機会を得たアルゼンチンのGKセルヒオ・ゴイコエチェアが立ちふさがり、またシュートが何度もクロスバーやゴールポストに嫌われて、ブラジルはどうしても点が取れないまま時間が経過する。

一方、アルゼンチンとしてはディエゴ・マラドーナが頼みの綱なのだが、足首を痛めていたマラドーナは本調子からは遠く、時折ドリブルを仕掛けるものの、ブラジルは割り切ってあっさりと反則で止めてしまう。

そして、ゲームはスコアレスのまま残り10分まで進んだが、それまで思うようなプレーができなかったマラドーナがハーフライン手前からドリブルで突破。ブラジルの4人のDFを引き付けてから、クラウディオ・カニーヒアにパス。フリーのカニーヒアがGKタファレウを交わしてゴールを決めて、アルゼンチンが勝利するのだ。

今回、改めて見直してみても、なんとも不思議な試合だった。面白い試合ではない。夜中に見たので、途中で居眠りをしてしまいそうだった。

だが、アルゼンチン人にとってはこういう勝ち方こそ最も嬉しいのだという。

昔、スカパー!で解説をしていた頃に同じ解説者だった亘崇詞(わたりたかし)さんとよく話したものだ。亘さんは、ボカ・ジュニオルスやドック・スードなどアルゼンチンで活躍したMFでアルゼンチン通だ。力で相手をねじ伏せて勝つのももちろん楽しいのだが、知恵と工夫と根性で強い相手を倒すことこそアルゼンチン人にとっては最も楽しいのだというのだ。

  • Line

あわせて読みたい

J SPORTS IDを登録すれば、
すべての記事が読み放題

J SPORTS IDの登録(無料)はこちら

ジャンル一覧

人気ランキング(オンデマンド番組)

J SPORTSで
サッカー フットサルを応援しよう!

サッカー フットサルの放送・配信ページへ