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かつて、Jリーグが発足して日本サッカーがプロ化するより以前には選手の育成は学校の部活動に委ねられていた。1970年代には中学生年代を中心に、枚方FCや神戸FCなどのいわゆる「街のクラブ」が台頭してきていたが、そでもやはりU−18年代は高校のサッカー部、U−15年代は中学のサッカー部が育成の中心だった。
そして、静岡県や埼玉県、広島県のいわゆる「御三家」や東京都、大阪府といった大都市圏が圧倒的な力を持っていた。
たとえば全国高校選手権で言えば、静岡県勢が毎年のように全国大会の決勝に駒を進め、「全国大会で勝つよりも静岡県大会で勝つ方が難しい」とまで言われた時期もあったし、その他の地域でも東京の帝京高校や長崎県の島原商業や国見高校のようないくつかの強豪校の間で全国のタイトルが争われていた。
現在でも、U−18年代では高校チームとJリーグクラブの下部組織の実力はかなり拮抗している。高円宮杯プレミアリーグでも、今季はイーストが青森山田高校、ウェストが名古屋グランパスがそれぞれ優勝。先日行われた「ファイナル」では、青森山田高校が名古屋を破って優勝している。
年代別の日本代表でも、Jクラブの選手と高校サッカー部の選手が混在していて、よく「どちらが国際的に通用するのか」といった議論が巻き起こる。
だが、U−15年代では今やクラブが圧倒的な力を誇っている。
高円宮杯全日本U−15でも、大会が始まった1989年は読売クラブ(現東京ヴェルディ)ジュニアユースが優勝しているが、2位から4位は中学校のチームが占めており、その後もしばらくはクラブと中学校が拮抗した状況が続いていたが、1990年代後半以降はJリーグクラブが上位を独占するようになった。
たとえば、今年の高円宮杯U−15には32チームが参加したのだが、中学校のチームはたったの2校だけで(青森山田中学校と神村学園中等部=ともに2回戦敗退)、あとはすべてJリーグのクラブといわゆる「街のクラブ」である。
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