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いずれにしても、思い切った選手起用をしている男子代表に比べて、女子代表はほぼベストメンバーで戦い続けながら、チーム作りの進み方が遅いのが気になるのだ。
女子代表にとってこの大会での一番の収穫は、キャプテン・マークを巻いた岩渕の得点能力の覚醒だろう。チャンスは作れるのだが決め切れずに敗れた今年のワールドカップを考えると、岩渕というエースの決定力アップは心強い。
だが、岩渕一人に頼り切りだと、そこを消された場合、あるいは岩渕が使えなくなった時のことが懸念される。その意味でも、なでしこリーグで4年連続得点王という偉業を達成したばかりの田中美南が代表では苦しんでいるのが気になるところだ。
所属の日テレ・ベレーザでは得点だけに専念して、そのシュート技術の高さを発揮できている田中だが、代表ではパス回しに加わりながらポストプレーもこなし、そして守備も求められる。つまり、得点のことだけに集中できないのが、代表での不振の原因なのだろう。だが、それではあまりにもったいない。
岩渕とツートップを組んで、岩渕から田中にパスを供給するような形ができれば、日本代表の得点力も大幅にアップするはずなのだが、中国戦ではハットトリックを達成した岩渕と入れ替わりのかたちでピッチに立ったため、岩渕とのコンビは見られなかった。
「E−1選手権」のような大会では、男子代表がやっているようにもっと思い切ったトライをしながら、選手たちの可能性を引き出してもらいたいものなのだが……。
文:後藤健生
後藤 健生
1952年東京生まれ。慶應義塾大学大学院博士課程修了(国際政治)。64年の東京五輪以来、サッカー観戦を続け、「テレビでCLを見るよりも、大学リーグ生観戦」をモットーに観戦試合数は3700を超えた(もちろん、CL生観戦が第一希望だが!)。74年西ドイツ大会以来、ワールドカップはすべて現地観戦。2007年より関西大学客員教授
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