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それに反比例して、この年代では圧倒的な強さを誇っていたアフリカ勢の退潮も目についた。アフリカからは、ナイジェリア、セネガル、アンゴラと3カ国が決勝トーナメントに進んだのだが、いずれもラウンド16で敗退した。かつては、この年代では彼らの身体能力が効果を発揮いたが、ヨーロッパ勢をはじめ、各国が戦術的に戦えるようになったことで、身体能力だけでは勝ちぬけなくなったのだろう。
さて、上位進出を期待され、実際、初戦でオランダを破るなどグループリーグを首位で通過した日本代表は、ラウンド16でメキシコに完敗を喫した。
原因のひとつは、肝心のラウンド16で日本代表自身が調子を落としてしまったことがある。強豪ぞろいのいわゆる“死の組”に入ったことで、グループリーグ勝ち抜きが大きな焦点となり、グループリーグ初戦のオランダ戦がピークになってしまった。
同じくラウンド16で敗退となったU−20ワールドカップでも同じような現象が起こった。いや、昨年のロシア・ワールドカップでも、女子ワールドカップでも、このところ日本代表は各カテゴリーのワールドカップで決勝トーナメントの初戦で敗退している。いかにして、余力を残しながらグループリーグを通過するかを考えなければならないのではないか。
そして、もう一つの敗因は、ここぞというところでゴールを決められないことだった。
「良いゲームをしたのに得点できずに敗退」。これまでにも、再三見てきた光景だ。たとえば、決勝に進出したブラジルとメキシコなどは内容の良くないゲームでも、なんとかゴールを奪って勝ちぬいている。「個の力」でも「幸運」でもいいから、どんな形でもゴールを奪いとる。そんな泥臭い勝ち方も身に着ける必要があるのだろう。
文:後藤健生
後藤 健生
1952年東京生まれ。慶應義塾大学大学院博士課程修了(国際政治)。64年の東京五輪以来、サッカー観戦を続け、「テレビでCLを見るよりも、大学リーグ生観戦」をモットーに観戦試合数は3700を超えた(もちろん、CL生観戦が第一希望だが!)。74年西ドイツ大会以来、ワールドカップはすべて現地観戦。2007年より関西大学客員教授
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