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さすがに、試合の立ち上がりは相手のスピードに戸惑うような場面もあったものの、15分ほどで慣れてうまく対応できるようになっていく。
また、たとえば右のサイドハーフにサイドバックを本職とする角昂志郎を置き、その後ろに守備の要である半田陸を置いたり、MFにチャレンジングなパスを持ち味とする攻撃的な藤田譲瑠チマではなく、より守備的な田中聡と山内翔を組ませたりと、采配としてもしっかりした守備から入ろうという意図がよく見て取れた。
それでいて、守備一辺倒にもならずにバランスよく戦えたのも見事だった。
セネガル戦のツートップは唐山翔自と中野桂太。唐山は、前線で体を張ってセネガルの屈強なDFを背負い、ポストプレーでチームに貢献。中野は運動量を生かしてDFラインの裏に走ってパスを引き出した。彼らのプレーぶりを見ても、しっかりと攻撃の形を作り、前線で時間を使うことによって、試合の流れを引き寄せようという意図が見て取れた。
後は、我慢比べだ。時間によっては、中盤でのスペースを使われて押し込まれる時間もあった。後半の立ち上がりには、再びスピードで突破を許す時間もあった。一方、日本のリズムでチャンスをつかんだ時間帯もあったが、なかなか得点には至らない。だが、それでも決して焦ることなく、辛抱強く戦った。
そして、ある程度流れを引き寄せた29分に田中聡が頭部の負傷で、急遽藤田と交代したが、すでに流れをつかんだ後だったので、むしろ藤田が入って日本の攻撃は多彩になった。
こうして、スコアレスのまま時間が経過。すると、日本のベンチは65分に西川潤、81分に若月大和と両エースを投入する。
相手が疲れてスペースができた時間帯に両エースを入れたことで、西川のテクニックと若月のスピードが生きたのだ。ポストプレーで体を張った唐山は、ゴールに結びつけることこそできなかったが、ゲームの流れを引き寄せる仕事を果たし、そうして生まれた状況をクローザーとして起用された西川と若月が利用して“収穫する”という理想的な役割分担だった。
そして、81分に藤田の攻撃的なパスセンスと西川のテクニックが絡んで、日本が決勝ゴールを決める。
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