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セカンドレグの勝負どころの一つは、浦和の左サイド(関根貴大のサイド)だった。
16分に広州恒大の最初のビッグチャンスが生まれたのも、こちらのサイドだった。楊立瑜への縦パスが出た瞬間、関根がカットを狙ってスライディングをしたものの、これが届かず、パスが楊立瑜に通り、クロスに合わせたタリスカが強烈なシュートを放ったが、西川がすばらしい反応で防いだ場面だ。
あそこでパスカットを狙った関根のプレーは明らかな判断ミス。関根はもともと攻撃的な選手であって、守備力は高くない。
埼玉スタジアムでのファーストレグでは、関根のサイドからの攻撃が一つのキーとなっていた。左センターバックの槙野智章がタッチライン沿いのサイドバックの位置に出て、関根を押し上げる形で、浦和は左肩上りで攻撃を仕掛けたのだ。
「2対0でリード」という優位に立って迎えたセカンドレグでは、より守備力の高い宇賀神友弥を先発させる選択もあっただろうが、大槻毅監督はファーストレグと同じく関根の先発を選択した。守備的なイメージになることを恐れたのだろう。
一方、広州恒大のファビオ・カンナヴァーロ監督はこのサイド(広州恒大の右サイド)に、ファーストレグでは途中交代で起用した、より攻撃的な楊立瑜を先発させた。関根の攻撃力を押さえるために、こちらサイドから攻撃を仕掛け、関根に守備をさせようとしたのだろう。
そのカンナヴァーロ監督の選択は効果的だった。セカンドレグの広州恒大は、右の楊立瑜,左の韋世豪の両サイドが積極的に仕掛けて、チャンスを作ることに成功していた。
もう一つ、浦和にとっての脅威だったのは、トップ下のポジションにいるタリスカだった。ワントップのエウケソンはセンターバックがほぼ完ぺきに抑えたものの、タリスカを捕まえられず、何度もシュートを打たれたのだ。
しかし、この辺りは浦和は最初から想定していたのかもしれない。サイドを突破されても、タリスカに遠目から打たれても、エウケソンを押さえ、そしてタリスカなどのシュートにはコースに入ってブロックしたり、あるいはシュートコースを限定できれば防げるという計算だったのだろう。
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