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さて、サッカーのワールドカップは僕は1974年の西ドイツ大会以来、もう12回も現地観戦しているが、ラグビーのワールドカップはこれが初めての経験だった。
観戦した印象は、サッカーのワールドカップと思っていた以上によく似た雰囲気だった。
もちろん、僕はサッカーの場合は記者席で見ており、今回は一般観客席で観戦したという違いはある。だが、記者席のチケットが入手できないときなど、ブラックマーケット(要するに、スタジアムや街の広場に立っている人たち)から入手した入場券で一般席で見たことは何度もある。
「東京スタジアム」、つまりいつもはJリーグでFC東京や東京ヴェルディの試合を観戦している「味の素スタジアム」だが、周囲にはフランス、アルゼンチンのサポーターをはじめ外国人の姿も多く(約3割くらいが外国人か)、行きかえりの京王電鉄の車内でも、最寄りの飛田給駅構内でも外国語が飛び交って、これだけでもワールドカップ気分が盛り上がる。
J SPORTSのプログラムを見ていると、ラグビー解説者が「ラグビーの場合は、両国のサポーターがまじりあって座っている」と言っていた。あれは、「サッカーでは考えられないことでしょうが」ということを含意しているのだろうが、サッカーのワールドカップでも、今では両国サポーターがまじりあっているのは普通のことだ。
フーリガンが跳梁していた時代はもう20年以上も昔のこと。特にワールドカップはお祭り的な意識が強く、サッカーのワールドカップでも各国のサポーターは入り混じって、交流を深めている。
日本ではサッカーのファンとラグビーのファンはまったく重複していないし、むしろ互いに嫌っているようなところすらある。だが、フランスにしても、アルゼンチンにしても、サッカーもラグビーも両方好きだといったファンは多いし、両方のワールドカップを見に行く人もかなりいるのではないだろうか。ラグビーの試合でも、横縞のプーマス(アルゼンチン代表)のシャツではなく、縦縞のサッカーのシャツを着て応援しているサポーターはいくらでもいるし、フランス人でもグリーズマンやムバッペの名前の入ったシャツを着ている人が何人もいた。
応援の歌声も、サッカーとさほど変わらない。フランスの応援団はユーロですっかり流行したアイスランドのバイキング・クラップを盛んにやっていたし、アルゼンチンは例の「バモ、バーモ、アルヘンティナ」で盛り上がっていた。
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