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サッカー フットサル コラム 2019年8月19日

天皇杯における法政大学の躍進。しっかり計算した勝利を引き寄せた、若い選手たちのプレー

後藤健生コラム by 後藤 健生
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そして、24分に法政大学が先制ゴールを決めた。

中盤でのこぼれ球を拾った末木裕也が浮き球のパスを送り、トップの田中和樹が相手に囲まれながらも粘ってキープして、落としたボールに走り込んできた大西遼太郎が蹴り込んだのだ。田中がタメを作ったのを見て、大西が走り込むタイミングを合わせたあたり、「サッカーをよく分かっているな」という印象のプレーだった。

後半は、攻め急ぐこともなく、法政大学が「1点リード」という状況を利用しながらゲームを進め、70分にCKから追加点を奪ってリードを広げて逃げ切った。その落ち着いたゲーム運びも印象的だった。

G大阪もJ1リーグの間の厳しい日程だったが、法政大学にとっても関東大学リーグの試合からの厳しい連戦の中のゲームだった。8月4日に前期リーグ戦の残り3節分が再開され、法政大学は中2日、中2日で3連戦を1勝1分1敗で乗り切り、それから中3日で天皇杯を迎えていたのだ。

映像でG大阪を分析してはいたものの、大学リーグの3連戦を終えてから、実際にグラウンド上でG大阪対策のトレーニングができたのはたった2日だったのだという。「天皇杯の東京V戦を含めて、スリーバックの相手との試合が多かったから、慣れていた」とは長山一也監督の言葉だが、短いトレーニングでしっかりJ1クラブ相手の戦術的対策を身に着けてしまうあたりが、戦術能力の高い最近の若い選手らしいところだ。

最近、日本の各年代別代表は、国際大会ですばらしい大人のサッカーをしている。先日も、SBSカップに出場したU−18代表がベルギー相手に完勝し、相手チームの監督に「成熟したチームだった」と言わしめたことはこのコラムでも紹介したばかりだ。

法政大学のラウンド16進出も、大学在学中の若い選手たちが、プロ相手にしっかりとした戦いをしたことの結果だった。「ただ頑張って、相手よりよく走って」とか「気力の勝利」といった勝ち方ではなく、勝利から逆算して計算しながら引き寄せた勝利だったところに意義を見出すべきだろう。

法政大学は、ラウンド16でもJ2ヴァンフォーレ甲府との対戦が決まった。どんな試合になるか、楽しみにしたい。

文:後藤健生

後藤 健生

後藤 健生

1952年東京生まれ。慶應義塾大学大学院博士課程修了(国際政治)。64年の東京五輪以来、サッカー観戦を続け、「テレビでCLを見るよりも、大学リーグ生観戦」をモットーに観戦試合数は3700を超えた(もちろん、CL生観戦が第一希望だが!)。74年西ドイツ大会以来、ワールドカップはすべて現地観戦。2007年より関西大学客員教授

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